海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Morelらは、 フランスの早期関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 メトトレキサート (MTX) 投与開始時期の調整が13価肺炎球菌結合型ワクチン (PCV13) の免疫原性および疾患制御に及ぼす影響を多施設共同第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験VACIMRAで評価した。 その結果、 PCV13接種の1ヵ月後にMTXを投与することで、 1年間の追跡期間において免疫学的反応が同時投与と比べて有意に改善し、 疾患制御に影響も認められなかった。 本研究はLancet Rheumatol誌において発表された。
追跡期間が約1年と比較的短く、 免疫応答の持続性および疾患制御への長期的影響を十分に検証するには観察期間が不十分である点が本研究の重要なlimitationです。
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RA患者には肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されている。 RAに対する免疫抑制療法はワクチンの効果を阻害するため、 免疫抑制薬の開始前にワクチンを接種すべきである。
そこで第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験VACIMRAでは、 MTXのPCV13接種と同時または接種1ヵ月後の投与が液性免疫応答に及ぼす影響を比較評価した。
フランスの大学病院22施設と一般病院4施設の計26のリウマチ科において、 活動性RA (28関節の疾患活動性スコア>3.2) を有し、 疾患修飾性抗リウマチ薬 (DMARD) 未治療、 過去3ヵ月以内にMTXまたはレフルノミド投与歴がなく、 肺炎球菌ワクチン未接種の成人患者249例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
2ヵ月後、 両群の患者に23価肺炎球菌多糖体ワクチンが接種された。 液性免疫応答、 疾患活動性、 感染症、 有害事象はベースライン時およびPCV13接種後の1、 3、 6、 12ヵ月時で評価された。
主要評価項目は、 1ヵ月時の反応率 (5つの標的血清型のうち少なくとも3つに対する陽性反応) であった。 レスポンダーは、 ELISAまたはオプソニン貪食作用アッセイ活性において、 IgG濃度がベースラインと比較して2倍以上増加した者と定義された。
対象患者のうち70%が女性患者、 30%が男性、 登録時の平均年齢は55.6歳 (標準偏差 14.8歳) であった。
1ヵ月時の反応率はIgG濃度 (相対リスク [RR] 1.46 [95%CI 1.10-1.92]、 p=0.02) およびオプソニン化貪食アッセイ活性 (RR 1.65 [95%CI 1.25-2.19]、 p=0.01) のいずれにおいても、 遅延群が即時群と比べて有意に高かった。
12ヵ月時でも、 13の血清型のうち8つにおいて、 遅延群の抗体機能活性が有意に高かった。
両群で有害事象の発現率およびRAの疾患活動性スコアは追跡期間を通じて同等であった。 有害事象は649件で認められ、 うち72件 (11%) が重篤であった (ワクチン関連の重篤有害事象は1件)。
著者らは 「早期RA患者において、 PCV13接種の1ヵ月後にMTXを投与することで、 1年間の追跡期間において免疫学的反応が有意に改善し、 疾患制御に影響も認められなかった。 今後の課題は、 これらの結果をPCV20やPCV21で確認し、 ワクチン追加接種の最適な時期を評価することである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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