HOKUTO編集部
1ヶ月前

未治療のHER2陽性切除不能な局所進行または転移性胃腺癌/食道胃接合部腺癌患者において、 HER2二重特異性抗体zanidatamabの有効性および安全性を検討した第III相無作為化比較試験HERIZON-GEA-01の結果から、 zanidatamab+化学療法±チスレリズマブ併用療法は標準治療と比較してPFSを有意に改善し、 チスレリズマブ併用群ではOSも有意に改善した。 カナダ・Princess Margaret Cancer CentreのElena Elimova氏が発表した。
現在、 HER2陽性進行胃食道腺癌 (GEA) の1次治療の成績は依然として不良である。 zanidatamabはHER2の細胞外ドメイン2および4に結合するHER2二重特異性抗体であり、 HER2陽性進行胃GEAを対象とした1次治療の第Ⅱ相試験において、 化学療法±チスレリズマブ併用で有望な有効性と忍容性が既に示されている。
HERIZON-GEA-01試験の対象は、 未治療かつHER2陽性の再発または転移性のGEA患者だった。 914例が以下の3群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられた。
3群いずれも化学療法を併用し、 化学療法はカペシタビン+オキサリプラチン (CAPOX)、 または5-FU+シスプラチン (FP) から医師が選択し、 6サイクル終了後は中止可能だった。
主要評価項目は、 独立中央判定 (BICR) による無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) だった。
年齢、 性別などの患者背景は3群間でバランスが取れていた。 HER2 IHC 3+はzanidatamab+チスレリズマブ群が83.1%、 zanidatamab群が82.6%、 トラスツズマブ群が82.8%だった。
PD-L1 TAPスコア≧1%以上はそれぞれ61.9%、 58.6%、 61.0%だった。 化学療法レジメンは、 3群いずれも約9割でCAPOXが選択された。
zanidatamabを含む2群は、 トラスツズマブ群と比較しPFS中央値を有意に延長した。 各群のPFS中央値は以下の通りである。
vs トラスツズマブ群 : HR 0.63 (95%CI 0.51-0.78)、 p<0.0001
vs トラスツズマブ群 : HR 0.65 (95%CI 0.52-0.81)、 p<0.0001
サブグループ解析の結果、 事前に規定されたほぼ全てのサブグループにおいて、 zanidatamab+チスレリズマブ群およびzanidatamab群のトラスツズマブ群に対する優位性が一貫して認められた。
OSにおいても、 zanidatamab+チスレリズマブ群で有意な延長が認められた一方、 zanidatamab群で有意差は認めなかった。 各群のOS中央値は下記の通りである。
vs トラスツズマブ群 : HR 0.72 (95%CI 0.57-0.90)、 p=0.0043
vs トラスツズマブ群 : HR 0.80 (95%CI 0.64-1.01)、 p=0.0564
24ヵ月OS率は、 zanidatamab+チスレリズマブ群で54.3%、 zanidatamab群で50.3%、 トラスツズマブ群で38.8%であり、 30ヵ月OS率はそれぞれ43.8%、 42.2%、 30.0%だった。
奏効率は、 zanidatamab+チスレリズマブ群で70.7%、 zanidatamab群で69.6%、 トラスツズマブ群で65.7%であり、 奏効期間中央値はそれぞれ20.7ヵ月、 14.3ヵ月、 8.3ヵ月だった。
Grade 3以上の治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は、 zanidatamab+チスレリズマブ群が71.8%、 zanidatamab群が59.0%、 トラスツズマブ群が59.6%だった。
最も頻度の高いTRAEは下痢であり、 zanidatamabを含む両群の約8割に認められたが、 その多くは早期に発現し3週間以内に消失した。 TRAEによる治療中止率はzanidatamab+チスレリズマブ群で最も高かった (42.5%)。
Elimova氏は 「本試験の結果は、 zanidatamabがHER2標的治療における新たな標準治療となり得ること、 そしてHER2陽性進行GEAの1次治療でトラスツズマブに代わり得る可能性を支持するものである。 またzanidatamab+チスレリズマブ+化学療法併用による生存成績の改善は、 同併用療法が新規治療選択肢であることを裏付けている」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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