【実刑】 医師免許は不正取得できる?
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HOKUTO通信

12ヶ月前

【実刑】 医師免許は不正取得できる?

【実刑】 医師免許は不正取得できる?
知人の医師らと共謀し、父親を殺害したとする殺人罪で懲役13年の実刑判決を受けた元医師の山本直樹被告 (45) =控訴中=は、 医師免許を不正に取得していた。 海外の医大を経由した手口だったが、 免許取得には「抜け道」 はあるのだろうか。

偽りだらけの経歴

厚生労働省によると、 山本被告は韓国の医大を卒業し、 韓国の医師免許を取得したものとして、 2009年10月に日本の医師国家試験の受験資格認定を受けた。2010年の試験に合格し、 日本の医師免許を取得した。

だが、 厚労省が受験資格認定に必要な申請書類を確認したところ、 韓国での卒業証明書や医師免許証の写しが添付されていなかった。 さらに韓国での滞在歴が医大を卒業できるほどの期間に満たず、 韓国の医師免許も持っていなかった。 厚労省は2021年12月、 山本被告の医師免許を取り消した。  

 
【実刑】 医師免許は不正取得できる?

当時、 厚労省はこの事務を担当した職員8人に聞き取りをしたが、 山本被告の書類を受け取った職員を特定できなかった。 必要書類がない理由は不明だという

海外経由は抜け道なのか

日本で医師資格を得るには、国内の医学部を卒業し、 国家試験を受けるのが王道だ。 私大医学部への裏口入学が過去に問題になったこともあるが、 免許の不正取得は 「聞いたことがない」 (厚労省) 。 

医師の間では 「不正かどうかはともかく、 入学が簡単な海外の医大を卒業し、 日本の受験資格を得て医師免許を取得するという抜け道がある」  (東京都内の医師) とまことしやかに噂されている。 海外の医大を卒業し、 海外の医師免許を取得した人は、 一定の学力を持つと認定された場合、 日本の医師国家試験の受験資格を得られると定められている

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「海外医大に誘導」、 厚労省が注意喚起

 厚労省によると、 最近10年ほど、 卒業後に日本の医師国家試験の受験資格が得られるとうたい、 外国の医大入学を勧誘する例が増えているという。 特にハンガリーの医大を経由する受験者が増加傾向にあるというが、 厚労省は 「個別の能力や教育水準などを審査するため、 特定の海外医大の卒業生に受験資格を一律で認定することはない」 と注意を呼びかけている。

そもそも、 受験資格の認定申請には、 現地の卒業証明書や医師免許のほか、 「履修した教科課程や時間を示す書類とその日本語訳、 当該国の大使館などで記載内容が事実であると確認された証明も必要」 という。 厚労省医事課の担当者は 「かなり厳格な定めがあり、 海外ルートの不正取得は通常考えられない。 抜け道になるとも考えていない」(厚労省医事課) としている。

2022年の医師国家試験では、 海外の医大経由で計160人が受験し、 78人が合格した (合格率49%)。 

不可能を可能にした“相棒”?

通常考えられないという医師免許の不正取得。 それを可能にしたのは“相棒”の存在だ。

山本被告とともに起訴された大久保愉一被告(44)は厚労省で医系技官として勤務した経歴があり、 山本容疑者が受験する直前の2008~09年には、 医師国家試験に関わる部署で試験専門官を務めていた。

報道によると、 山本被告は実刑判決を受けた京都地裁の被告人質問で、 「恥ずかしく申し訳ないことだが、 大久保被告の提案で、 韓国の医大を卒業したという噓の書類を厚労省に提出して資格を得た」 とした上で、 「『免許を持っていて損をすることはないからとっとけ』と大久保被告にいわれた。 不正のやり方は全部彼から教えてもらった」 と述べた。

大久保被告の関与について、 厚労省は 「プライバシーの問題もあり、 大久保被告が厚労省に勤務していたかどうかも含めて回答は差し控えたい」 としている。

医師国家試験の受験資格認定について、 詳しくは厚労省のホームページへ。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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