海外ジャーナルクラブ
1年前
Gruenらは、 重症外傷による凝固障害が疑われ高度外傷システムで治療を受けている患者を対象に、 医療機関搬送前のトラネキサム酸投与の効果を無作為化比較試験で検討。 その結果、 トラネキサム酸の搬送前投与は6カ月後の良好な機能的転帰を伴う生存に有意な影響を及ぼさなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
トラネキサム酸のプレホスピタル投与は機能予後回復は難しいですが、 本研究でも死亡転帰は改善しそうなので外傷診療においてはやはり有用な治療薬の1つです。
トラネキサム酸の医療機関搬送前投与が、 外傷による凝固障害が疑われ高度外傷システムで治療を受けている患者において、 良好な機能的転帰で生存する可能性を高めるかどうかは不明である。
重症外傷による凝固障害が疑われ、 高度外傷システムで治療を受けている患者
患者を以下の群に無作為に割り付け
受傷後6カ月時点での良好な機能的転帰を伴う生存 (GOS-Eレベル5以上)
受傷後28日と6カ月時点の全死因死亡
受傷後28日目時点の全死因死亡
6カ月時点の全死因死亡
血管閉塞性事象を含む重篤な有害事象の数は両群間で有意差はなかった。
外傷誘発性凝固障害が疑われ、 高度外傷システムで治療を受けている成人の外傷患者において、 トラネキサム酸の医療機関搬送前投与とその後の8時間にわたる点滴は、 プラセボと比較して、 6カ月時点における良好な機能的転帰で生存している患者数を増加させることはなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。