海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Sanyalらは、 線維化の進行を伴わないmetabolic dysfunction associated steatohepatitis (MASH)*患者を対象に、 グルカゴン受容体+GLP-1受容体の二重作動薬survodutideの有効性と安全性を第Ⅱ相無作為化試験で検討した。 その結果、 survodutideがMASHの改善において有望であることが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。
本研究の大変面白い点は、 試験薬剤のsurvodutideを2.4、 4.8、 6.0mgの3つの用量で振っていることと、 これにプラセボを置いていることです。 本研究ではプラセボが15%程度の効果を示していますが、 どのような試験でも大体10~15%程度の効果を認めることが多いです。
グルカゴン受容体とGLP-1受容体の二重作動薬は、 MASHの治療においてGLP-1受容体作動薬単独よりも有効である可能性がある。 しかし、 MASHおよび肝線維症患者におけるsurvodutideの有効性と安全性はいまだ不明である。
生検でMASHが確認され、 線維化ステージがF1~F3の成人患者
患者は以下の群に1:1:1:1の割合で無作為に割り付けられた。
線維化の進行を伴わないMASHの組織学的改善*
肝脂肪量が30%以上低下、 かつ生検評価による1stage以上の線維化の改善 (軽減)
線維化の進行を伴わないMASHの組織学的改善
最適適合モデルとしての二次線量反応曲線のp<0.001
肝脂肪率が30%以上低下した患者の割合
線維化が1stage以上改善した患者の割合
発生頻度が高かった有害事象*
悪心
下痢
嘔吐
重篤な有害事象の発現率
著者らは、 「Survodutideは、 線維化を悪化させることなくMASHを改善させるという点においてプラセボよりも優れていた。 第Ⅲ相試験でのさらなる検討が必要である。 」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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