【NEJM】RSV細気管支炎による入院リスク、 ニルセビマブにより低減
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【NEJM】RSV細気管支炎による入院リスク、 ニルセビマブにより低減

【NEJM】RSV細気管支炎による入院リスク、 ニルセビマブにより低減
Assadらは、 乳児RSV関連細気管支炎に対する長時間作用型抗RSVヒトモノクローナル抗体ニルセビマブの有効性について、 多施設共同前向きマッチング症例対照研究で検討。 その結果、ニルセビマブによる入院リスクの低下が示された。 本研究はNEJMにおいて発表された。

📘原著論文

Nirsevimab and Hospitalization for RSV Bronchiolitis. NEJM. 2024 Jul 11;391(2):144-154. PMID: 38986058

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抗RSウイルス薬 ニルセビマブ

研究の背景

気管支炎の主要原因で年300万件が入院

RSウイルス (respiratory syncytial virus : RSV) 関連気管支炎により、 世界で毎年300万件の入院が生じる。 一方、 ニルセビマブは半減期の長い抗RSVモノクローナル抗体であるが、 これまで実臨床におけるニルセビマブのRSV関連細気管支炎に対する有効性は明らかになっていない。

研究デザイン

対象はフランスの生後12ヵ月未満の乳児

生後12ヵ月未満の乳児を対象としたフランスの多施設共同マッチング症例対照研究。 研究グループは、 2023年10月15日~12月10日に、12ヵ月未満乳児において、 以下の症例と対照を月齢、 受診日、 実施施設に基づいて2 : 1でマッチさせ、 RSV関連細気管支炎による入院に対するニルセビマブによる治療の効果について検討した。

<症例> RSV関連細気管支炎で入院した乳児

<対照>RSV感染に関連のない状態を理由に同じ病院を受診した乳児

主要評価項目は入院に対する有効性

交絡因子を補正した多変量条件付きロジスティック回帰モデルで、 ニルセビマブのRSV関連細気管支炎による入院への有効性を算出した。

解析対象は1,035例で、 そのうち症例は690例 (月齢中央値 : 3.1ヵ月)、 対照は345例 (月齢中央値 : 3.4ヵ月) であった。

研究の結果

ニルセビマブによる治療があったのは、 症例では60例 (8.7%)、 対照では97例 (28.1%) で、 ニルセビマブの有効性は以下のとおりであった。

RSV関連細気管支炎による入院に対する有効性

ニルセビマブの調整推定有効率は83.0% (95%CI 73.4~89.2) であった。 全ての感度解析で、 主要解析と同様の結果が得られた。

また、 集中治療を必要とするRSV関連細気管支炎に対する有効性は69.6% (95%CI 42.9-83.8%) で、 換気補助を必要とするRSV関連細気管支炎に対する有効性は67.2% (同38.6-82.5%) であった。

著者らの結論

著者らは 「実臨床において、 ニルセビマブによる治療はRSV関連細気管支炎による入院リスクを低下させるのに有効であった」 と結論付けている。


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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