インタビュー
1年前
新潟医療センターは 「安全・安心な研修医本位の体制作り」 をモットーに掲げています。研修医の悩みなどをサポートするメンター制度を導入しているほか、 個人の希望に応じたオーダーメード型の研修プログラムが特長です。 今回は副院長で教育研修センター長の佐藤卓先生と、初期臨床研修医 (1年次) の岡安晃暉先生に話を聞きました。
新潟医療センターは新潟市中心部の西区に位置し、 同市と周辺地域の地域医療の担い手として、外傷や感染症などの一般医療から、 心筋梗塞でのカテーテル治療などの高度医療、 回復期リハビリテーションや緩和ケアまで幅広い医療サービスを提供する総合病院です。近くにある新潟大学医歯学総合病院とは診療連携や人材交流が積極的に行われています。
ーーメンター制度を取り入れた狙いは。
佐藤副院長 「 「研修プログラムの内容を検討するよりも前に、 研修医の安全や安心を担保することが大切だと考えているからです。 1年目の臨床医は新社会人でもあり、 学生時代とは違うストレスが精神的にも肉体的にもかかります。 本人がそれに気づかず、 突然体調を崩してしまうケースもあります」
「人事面が絡んだサポートをするプロは病院には多くいません。 今回は、 知人の上場企業の人事部長にアドバイスなどをもらい、 2022年に正式な制度としてスタートしました。 現在は研修医と年齢の近い上級医6人がメンターとして研修医のケアに当たっています」
佐藤副院長 「診療とは直接関係ないような生活や将来のこと、 悩みなどをざっくばらんに話す機会を設けています。 その上で、 時間外の勤務強制はしないというルールも作り、 休む時は極力しっかり休むという意識を持ってもらっています」
ーープログラムの特徴は。
佐藤副院長 「研修医の安心、 安全の土台の上で、 プログラム構成には柔軟性を持たせています。 通常コースはもちろん、 不整脈や呼吸器、 整形外科・スポーツドクターなどに重点を置いたコースのほか、 起業・経営などを学べるコース、1年目は県外で2年目は県内で研修するコースなども用意しています。『手術系を集中的にしたい』『バランスよくまわりたい』など希望に応じたカスタマイズが可能です」
ーー実際に研修をした率直な感想は
岡安先生 「入職前に手技や患者さんへの対応で不安があったことは事実です。 ただ、 メンターの上級医だけでなく、 臨床現場でも疑問に思ったことをすぐ質問できるような雰囲気で、 研修医にとっては有り難い雰囲気です」
ーーそもそも研修先を選んだ理由は
岡安先生 「3歳から高校3年生までして、 大学でもボランティアでサッカーのコーチをしていました。 当センターはサッカーJ1アルビレックス新潟のチームドクターが在籍しており、 整形外科・スポーツドクター重点プログラムがあります。 スポーツドクターとして必要なことを学べると考えました」
「実は他の研修医との調整で、 現在はスポーツドクターではなく通常のプログラムで研修しています。 ただ、 内科を回る必修の期間中でも、 整形外科のプログラムを組み込むなどフレキシブルに対応してもらいました。 アルビレックスの遠征先からのメディカルチェックを見学したいと要望したら、 すぐ実現できたのも良かったです」
ーー忙しさの度合いは
岡安先生 「正直に言うと、 ちょうどいいです。 個人的に興味のあるスポーツ外来や整形の見学の際、 自身の希望で定時を過ぎることはありますが、 残業を強要されることはありません。サッカーのコーチを続けることも出来ています」
ーー病院の雰囲気は
佐藤副院長 「ベッド400床の中規模総合病院ということもあり、職種間の垣根が低いです。 質も高いチーム医療を実践できる環境が整っています 」
「研修医が指導医らに相談しやすい関係づくりを進める一方で、 一定の距離感も大切と考えています。 研修医専用の部屋には上級医は基本的に立入禁止です(笑)。 部屋は今年6人分増設したので、 居心地はいいと思います」
ーー生活環境は
佐藤副院長 「県外の人には意外だと思いますが、 新潟市内は意外と雪は積もりません。 交通網が麻痺することはほとんどありませんね。 (新潟医療センターが位置する) 西区は新潟の住みたい街ランキングで常に上位になり、 住みやすい地域です」
ーー医学生へのメッセージを
佐藤副院長 「一昔前、 研修医が少ない時があり、 寂しい思いをした経験があります。 だからこそ、 研修医が多いと病院が活気づき、 指導側の成長にもつながることを私たちは認識しています。 医師だけではなくコメディカル含めた病院全体で研修医を迎え入れる体制は整っています」
岡安先生「指導が本当に丁寧で、 自分がやりたいことを相談すれば積極的に機会を設けてくれる環境です。一度見学に来て、 その雰囲気を肌で感じてください。 現在研修医は2年次含めて15人いますので、 色々なお話ができると思います。 ちなみに研修医医同士で海辺でバーベキューをするなど、 仲も良いですよ」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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