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3日前

Merolaらは、 アトピー性皮膚炎における低疾患活動性 (LDA)、 極めて低疾患活動性 (vLDA)、 服薬下完全コントロール、 および服薬中止後寛解の標準化された定義を、 修正デルファイ法によるコンセンサス・ステートメントで策定した。 本研究はJAMA Dermatol誌において発表された。
limitationの1つ目に、 専門家パネルには国際的に著名な専門家が参加したものの、 地域的な代表性には偏りがあったことが記載されています。
アトピー性皮膚炎では、 標的治療薬の進歩により、 大幅な改善を達成できる可能性が高まっている。 一方で、 治療反応を評価し、 薬事評価における判断基準を明確化し、 臨床試験間で一貫した比較を可能にするための、 LDA、 vLDA、 および寛解に関する標準化され、 国際的に支持された定義は、 この領域では未だ確立されていない。
そこで今回は、 アトピー性皮膚炎におけるLDA、 vLDA、 および寛解について、 地域ごとの規制枠組みにも対応可能なコンセンサス定義を策定し、 臨床および研究で用いる関連用語を精緻化した。
国際湿疹評議会 (IEC) の運営委員会は、 対象を絞った系統的文献レビューとして、 PubMedを用いて2004年1月1日~2024年12月31日に発表された研究を対象に、 アトピー性皮膚炎、 医師評価アウトカム、 患者報告アウトカム、 疾患コントロール状態、 掻痒感の測定、 疾患活動性の概念に関連する文献を検索した。 エビデンスの評価には、 Oxford Centre for Evidence-Based Medicineの基準を用いた。
文献レビューで特定した主要な概念領域を基に、 2025年1~7月に3ラウンドの逐次修正デルファイ法によりコンセンサス形成を行った。 パネリストは、 アトピー性皮膚炎に関する専門性が認められた現IECメンバーで構成され、 各ラウンドで得られたフィードバックを踏まえ、 定義に用いる閾値を反復的に検討・調整した。
コンセンサスの判定基準は事前に設定され、 70%以上の一致をコンセンサス、 60~69%をニア・コンセンサス、 60%未満を非コンセンサスと定義した。 この基準に基づき、 LDA、 vLDA、 および寛解に関するカットオフ値の採用、 修正、 除外を決定した。
招待された専門家151人のうち、 第1ラウンドは61人 (40%)、 第2ラウンドは37人 (25%)、 第3ラウンドは103人 (68%) が完了した。
参加者は世界各地域から参加しており、 地域別では北米59人 (29%)、 欧州47人 (23%)、 アジア太平洋60人 (30%)、 ラテンアメリカ27人 (13%)、 中東・アフリカ7人 (3%) であった。 内訳は、 臨床研究者131人 (66%)、 臨床医59人 (30%)、 研究者9人 (5%) であり、 17人 (8%) はアトピー性皮膚炎の経験者および/または患者支援団体代表者と回答した。
初回調査では、 43人 (74%) が、 医師評価による徴候と患者報告による症状を寛解の補完的構成要素として層別化するモジュール型フレームワーク (寛解 [徴候]、 寛解 [症状]、 寛解 [全体]) を支持した。
修正デルファイ法により、 アトピー性皮膚炎におけるLDA、 vLDA、 服薬下完全コントロール、 および服薬中止後寛解の最終的なコンセンサス定義が策定された。
低疾患活動性 (LDA)は以下のように定義された。
アトピー性皮膚炎に対する検証済みの医師による全般的評価尺度 (vIGA-AD) =2または湿疹面積・重症度指数 (EASI) ≦7かつピークそう痒数値評価尺度 (PP-NRS) ≦4
極めて低疾患活動性 (vLDA)は以下のように定義された。
vIGA-AD=0/1またはEASI≦3かつPP-NRS=0/1
服薬下完全コントロールは以下のように定義された。
薬剤を含まない保湿剤/エモリエントのみの使用を除き、 アトピー性皮膚炎関連薬剤を使用中に完全なコントロールが維持されている状態 (vIGA-AD=0またはEASI=0かつPP-NRS=0/1が6ヵ月以上持続)
服薬中止後寛解は以下のように定義された。
治療中止後に寛解が維持されている状態 (vIGA-AD=0またはEASI=0かつPP-NRS=0/1が治療終了後12ヵ月以上維持)
著者らは 「本修正デルファイ法による取り組みにより、 アトピー性皮膚炎におけるLDA、 vLDA、 服薬下完全コントロール、 および服薬中止後寛解を定義する、 国際的に支持された専門家由来の枠組みが確立された。 これらの標準化された臨床的に意義のある定義は、 臨床試験デザインの統一、 薬事評価、 および縦断的な比較有効性研究の基盤となる。 さらに研究間で疾患コントロール評価の一貫性を促進することで、 アトピー性皮膚炎のエビデンスに基づく目標指向治療戦略の発展に寄与する可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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