海外ジャーナルクラブ
2年前
Shapiroらは、 敗血症性ショックの患者を対象に、 早期の輸液制限の効果を非盲検優越試験で検討。 その結果、 90日時点までの退院前の全死因死亡率において、 輸液制限群と非輸液制限群の間に有意差はなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
Hb値にしても目標血圧にしても、 今回の輸液量にして従来群と制限群のRCTとした場合、 至適valueは実際の2群の観察値の真ん中あたりにあるのでは、 といつも感じています。 今回であれば6時間輸液量が500ml vs. 2300mlですので、 至適輸液量はその真ん中くらいにあるのかもしれません。
敗血症患者の早期蘇生には輸液と血管作動薬がよく用いられるが、 その投与に優先順位をつけるための比較データは限られている。
敗血症性ショックの患者を以下の2群に無作為に割り付けた。
90日時点までの退院前の全死因死亡率
24時間のプロトコル期間中に行われた蘇生療法は両群で異なり、 輸液制限群は非輸液制限群よりも静脈内輸液が少なく (中央値の差、 -2134mL、 95%CI -2318〜-1949)、 昇圧薬の早期使用、 使用頻度、 使用期間がより長かった。
輸液制限群:14.0% (109名)
非輸液制限群:14.9% (116名)
(推定差:-0.9%、 95%CI -4.4-2.6)
重篤な有害事象の数は、 両群で同程度であった。
敗血症性ショックの患者において、 この試験で用いられた輸液制限は、 90日目までの死亡率を非輸液制限より有意に低く (または高く) することはなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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