【JAMA Netw Open】乳癌の術中病理診断、 ペン型新規デバイスは高精度
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【JAMA Netw Open】乳癌の術中病理診断、 ペン型新規デバイスは高精度

【JAMA Netw Open】乳癌の術中病理診断、 ペン型新規デバイスは高精度
Garzaらは、 乳癌患者を対象に、 質量分析器と接続したペン型デバイス 「MasSpec Pen」 を用いた乳房組織および手術断端の迅速術中評価の性能について、 浸潤性乳管癌 (IDC) と正常組織の識別を行い検証した。 その結果、 MasSpec Penは約96%の精度を示した。 本研究はJAMA Netw Openにおいて発表された。

📘原著論文

Intraoperative Evaluation of Breast Tissues During Breast Cancer Operations Using the MasSpec Pen. JAMA Netw Open. 2024 Mar 4;7(3):e242684. PMID: 38517441

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

新規デバイスの評価は雑誌社としては少し嫌なものですが、 JAMAOpenはしっかりと採用しており敬意を表します。 MeaningのところにThese findings suggest that the described technology and statistical classifiers may be usefulと書いていることから、 アカデミア的には今後の検証が必要だよ、 という意味合いが強いです。


in vivoでの乳房組織の評価が課題

乳癌においては、 手術による腫瘍の完全切除が依然として主な治療選択肢である。 しかし既存の技術では、 生体内 (in vivo) での乳房組織の正確な評価に限界がある。

MasSpec Penによる乳房組織・切除断端の評価能力を検討

対象

組織バンクから得た検体 : 143例

(浸潤性乳管癌 (IDC) 組織64例、 正常乳房組織79例)

同意が得られた女性乳癌患者 : 25例

方法

検体においては、 MasSpec Penを用いて術中に乳房組織と切除断端の評価を行い、 その能力を検討した。

健康な組織とIDC組織のいずれにも豊富な分子プロファイルが認められ、 代謝に関わる複数分子の相対的存在量に有意差が認められた。 それらの標本を訓練セット (正常組織 : 43標例、 IDC組織 : 25例) と検証セット (正常組織 : 14例、 IDC組織 : 8例) に分け、 それ以外をテストセットとした。

乳癌患者においては、 術中生体内および/または生体外の乳房組織解析が、 2つの異なる施設内の手術室で外科医により実施され、 データは統計的分類法の構築に使用された。

評価項目

分類モデルによる組織分析の予測結果について、 肉眼的評価、 凍結切片分析および/または術後最終病理検査と比較し、 正確性を評価した。

術後病理結果との一致率は96%

解析期間

2017年2月23日~2021年8月19日

統計的分類法の精度

  • 訓練セット : 95.6%
  • 検証セット : 95.5%
  • テストセット : 90.6%

術中解析の精度

(25例の手術で行われた273件の術中解析のうち対象となった22例147解析)

術後の病理結果との一致率 : 95.9%

乳腺科・患者双方に有用なデバイス

著者らは 「MasSpec Penは、 乳房組織および切除断端の術中迅速診断に有用であり、 外科医と患者の両方に役立つ」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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