海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Garzaらは、 乳癌患者を対象に、 質量分析器と接続したペン型デバイス 「MasSpec Pen」 を用いた乳房組織および手術断端の迅速術中評価の性能について、 浸潤性乳管癌 (IDC) と正常組織の識別を行い検証した。 その結果、 MasSpec Penは約96%の精度を示した。 本研究はJAMA Netw Openにおいて発表された。
新規デバイスの評価は雑誌社としては少し嫌なものですが、 JAMAOpenはしっかりと採用しており敬意を表します。 MeaningのところにThese findings suggest that the described technology and statistical classifiers may be usefulと書いていることから、 アカデミア的には今後の検証が必要だよ、 という意味合いが強いです。
乳癌においては、 手術による腫瘍の完全切除が依然として主な治療選択肢である。 しかし既存の技術では、 生体内 (in vivo) での乳房組織の正確な評価に限界がある。
組織バンクから得た検体 : 143例
同意が得られた女性乳癌患者 : 25例
検体においては、 MasSpec Penを用いて術中に乳房組織と切除断端の評価を行い、 その能力を検討した。
健康な組織とIDC組織のいずれにも豊富な分子プロファイルが認められ、 代謝に関わる複数分子の相対的存在量に有意差が認められた。 それらの標本を訓練セット (正常組織 : 43標例、 IDC組織 : 25例) と検証セット (正常組織 : 14例、 IDC組織 : 8例) に分け、 それ以外をテストセットとした。
乳癌患者においては、 術中生体内および/または生体外の乳房組織解析が、 2つの異なる施設内の手術室で外科医により実施され、 データは統計的分類法の構築に使用された。
分類モデルによる組織分析の予測結果について、 肉眼的評価、 凍結切片分析および/または術後最終病理検査と比較し、 正確性を評価した。
2017年2月23日~2021年8月19日
術後の病理結果との一致率 : 95.9%
著者らは 「MasSpec Penは、 乳房組織および切除断端の術中迅速診断に有用であり、 外科医と患者の両方に役立つ」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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