海外ジャーナルクラブ
2年前
Gounderらは、 進行性デスモイド腫瘍の成人患者を対象に、 経口γ-セクレターゼ阻害薬であるnirogacestatの有効性を第Ⅲ相国際二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 nirogacestatの投与は無増悪生存期間 (PFS)、 客観的奏効率、 患者報告による疼痛、 症状負担、 身体機能または日常役割機能、 健康関連QOLの改善と関連していた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
γ-セクレターゼ阻害薬はそもそもはアルツハイマー治療薬として開発された医薬品です。 そこからがん治療薬として研究され、 今回の第Ⅲ相試験で効果が証明されたのは素晴らしい研究成果と言えます。
デスモイド腫瘍は、 承認された治療法がない局所侵襲性の稀な高再発性軟部腫瘍である。
進行性のデスモイド腫瘍の成人患者
患者を以下の群に1:1の割合でランダムに割り付け。
PFS
Nirogacestat群のPFSはプラセボ群に比し良好であった (P<0.001)。
PFSの群間差は、 事前に規定されたサブグループ間で一貫していた。
疼痛、 症状負担、 身体的または役割機能、 健康関連QOLなどの患者報告による副次評価項目においても、 有意な群間差が認められた (P≦0.01)。
Nirogacestatの頻度の高い有害事象
有害事象の95%はグレード1または2であった。
Nirogacestatの投与を受けた妊娠可能な女性では、 36例中27例(75%) に卵巣機能不全と一致する有害事象が認められ、 うち20例 (74%) で消失した。
Nirogacestatは、 進行性のデスモイド腫瘍を有する成人において、 PFS、 客観的奏効、 患者報告による疼痛、 症状負担、 身体機能および日常役割機能、 健康関連QOLにおいて、 有意に効果を認めた。 Nirogacestatの有害事象は頻度が高かったが、 ほとんどが低グレードであった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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