海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Malecらは12歳未満の重症血友病Aの小児患者を対象に、 血液凝固第VIII因子製剤エフアネソクトコグ アルファの予防投与の有効性について、 第III相非盲検試験XTEND-Kidsで検討した。 その結果、 第VIII因子活性の持続性と出血予防効果が示された。 本研究はNEJMで発表された。
XTEND-ed研究で長期アウトカム(4年間) の調査が行われており、 その研究成果にも期待です。
治療歴を有する12歳以上の重症血友病A患者を対象としたエフアネソクトコグ アルファの週1回定期補充療法は、 初回治療の第VIII因子製剤の定期補充と比較し、 第VIII因子活性が高い状態で維持され,良好な出血抑制効果が認められた。
一方、 12歳未満で治療歴を有する重症血友病A 患者に対するエフアネソクトコグ アルファの効果は不明だった。
治療歴のある12歳未満の重症血友病A患者 : 74例
定期補充療法としてエフアネソクトコグ アルファ (50IU/kg) を週1回、 最大52週間静脈内投与
第VIII因子に対する中和抗体の発現
治療を要した出血エピソードの年間発生率、 出血に対する治療、 安全性、 薬物動態など
第VIII因子に対する中和抗体の発現は認められなかった。
有害事象発現率
有害事象は84% (62/74例) に発現し、 このうち4% (3例) はエフアネソクトコグ アルファ投与に関連ありと判定された。
重篤な有害事象は12% (9例) に認められたが、 いずれもエフアネソクトコグ アルファとの関連性はなかった。
出血の年間発生率
中央値 : 0.00 (四分位範囲0.00-1.02)
平均値* : 0.61 (95%CI 0.42-0.90)
出血エピソード
要治療のエピソード : 64% (47例) で発生せず
自然出血のエピソード : 88% (65例) で発生せず
関節出血のエピソード : 82% (61例) で発生せず
なお、 43例に治療を要した出血エピソードが発生したが、 そのうち41例 (95%) はエフアネソクトコグ アルファの投与1回で消失した。
薬物動態
定常状態で、第VIII因子活性が維持された期間
平均値>40IU/dLを維持 : 投与後3日間
平均値>10IU/dLを維持 : 投与後約7日間
終末相半減期の幾何平均値 : 40.0 時間
著者らは 「12歳未満の重症血友病Aに対するエフアネソクトコグ アルファの週1回定期補充療法により、 投与後3日間は正常~ほぼ正常 (40IU/dL超)、 約7日間は10 IU/dL超と高い第VIII因子活性の持続性を示し、 出血抑制効果が認められた」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。