海外ジャーナルクラブ
1年前
Baboudjianらは、 前立腺癌患者を対象に、 5α-還元酵素阻害薬 (5-ARI) の使用と前立腺癌死亡率との関連性をシステマテックレビューとメタ解析で検討。 その結果、 5-ARIの使用と前立腺癌死亡率の間に統計的に有意な関連性は認められなかった。 本研究はJAMA Oncol誌にて発表された。
結論には今回のシステマテックレビュー、 メタアナリシスでは統計学的に有意な関連は存在しない、 そしてprovides important data to inform clinical care.とあります。 これは結果の解釈から実臨床での応用をもう一度読者に考えさせるもので能動的な論文の読み方が求められています。
近年、 5-ARIの使用と前立腺癌死亡率との関連について、 いくつかの大規模かつ質の高い解析で反対の結果が示されている。
ランダム化比較試験および前向きまたは後ろ向きコホート研究において、 5-ARI使用者である年齢を問わず男性患者を含み、 前立腺癌死亡率を分析して非使用者と比較した研究。
5-ARI使用者と非使用者間での前立腺癌死亡率
5-ARIの使用と前立腺癌死亡率との間には、 統計的に有意な関連は認められなかった。
ベースライン時に前立腺癌と診断された患者を除外した研究に限定して解析した場合 (aHR 1.00、 95%CI 0.60-1.67、 P=0.99)、 前立腺特異抗原を調整した研究に限定して解析した場合 (aHR 0.76、 95%CI 0.57-1.03、 P=0.08) においても有意差は見られなかった。
20年にわたる疫学的文献を活用し、 300万人以上の患者を対象としたこの系統的レビューとメタ解析では、 5-ARIの使用と前立腺癌死亡率の間に統計的に有意な関連は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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