海外ジャーナルクラブ
12日前

国立がん研究センター東病院消化管内科長の設楽紘平氏らは、 CLDN18.2陽性かつHER2陰性の局所進行切除不能または転移性胃/食道胃接合部 (G/GEJ) 腺癌患者を対象とした国際第Ⅲ相試験SPOTLIGHTおよびGLOWの統合解析結果に基づき、 抗CLDN18.2抗体ゾルベツキシマブ+化学療法に伴う悪心・嘔吐が治療遵守と有効性に及ぼす影響、 およびその管理戦略について事後解析で検討した。 その結果、 悪心・嘔吐はゾルベツキシマブの初回投与日に最も多く発現し、 ステロイドを含む3剤以上の薬剤クラスを中心とした最適な制吐予防が、 治療遵守と臨床的ベネフィットの最大化に重要であることが明らかとなった。 本研究はESMO Open誌において発表された。
悪心・嘔吐の初回発現時期を正確に評価することを意図したものの、 発現時刻に関する情報が全症例で利用可能ではなかった点がlimitationです。
【胃癌】ゾルベツキシマブの胃炎・低Alb血症 「どう対応する?」
第III相試験SPOTLIGHT試験およびGLOWの統合解析において、 ゾルベツキシマブ+化学療法を実施した患者で最も多く認められた有害事象 (AE) は悪心・嘔吐であった。
そこで本研究では、 CLDN18.2陽性かつHER2陰性の局所進行切除不能または転移性G/GEJ腺癌患者1,072例を対象とした両試験の統合解析結果に基づき、 ゾルベツキシマブ+化学療法に伴う悪心・嘔吐が治療遵守と有効性に及ぼす影響、 およびその管理戦略を事後解析で検討した。
事後解析では、 悪心・嘔吐による治療中止、 制吐剤使用、 無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) への影響などが探索的に評価された。 PFS・OS解析において、 投与中断で曝露量が不十分であった患者 (相対曝露強度<75%) や投与開始後63日以内に早期中止となった患者を検閲 (打ち切り) 処理した。
悪心・嘔吐は、 ゾルベツキシマブの初回投与日に最も多く発現し、 悪心が46.5%、 嘔吐が41.0%で認められた。
2回目の投与日には悪心が23.2%、 嘔吐が24.4%に減少し、 その後の投与日においても悪心・嘔吐は減少傾向を示した。
ゾルベツキシマブ+化学療法 (ゾルベツキシマブ併用群) ではプラセボ+化学療法 (プラセボ群) と比べて、 悪心・嘔吐に伴い曝露量が不十分となる投与中断または早期中止に至った患者の割合が高かった (9.9% vs 0.6%)。
ゾルベツキシマブ併用群の白人患者では、 アジア人患者と比べて吐き気・嘔吐に伴い曝露量が不十分となる投与中断または早期中止に至った割合が高かった (15.4% vs 4.7%)。 プラセボ群でも同様の傾向が認められた (0.9% vs 0.4%)。
打ち切り処理前のPFS中央値は、 ゾルベツキシマブ併用群が9.2ヵ月、 プラセボ群が8.2ヵ月であり (HR 0.71)、 OS中央値はそれぞれ16.4ヵ月、 13.7ヵ月であった (HR 0.77)。
一方で、 打ち切り処理後のPFS中央値はそれぞれ10.4ヵ月、 8.2ヵ月であり (HR 0.65)、 OS中央値は17.9ヵ月、 13.7ヵ月であった (HR 0.69)。
ゾルベツキシマブ初回投与日において嘔吐を認めなかった患者は、 認められた患者と比べて3剤併用予防的制吐療法 (NK-1受容体拮抗薬 + 5-HT3受容体拮抗薬 + ステロイド) の実施率が高かった (75.3% vs 24.7%)。
制吐予防の一環としてステロイドを併用した患者のPFS中央値は、 ゾルベツキシマブ併用群が10.5ヵ月、 プラセボ群が8.3ヵ月であり (HR 0.66)、 OS中央値はそれぞれ18.4ヵ月、 13.8ヵ月であった (HR 0.71)。
著者らは 「ゾルベツキシマブ関連の悪心・嘔吐に対して、 ステロイドを含む3剤以上の薬剤クラスを中心とした最適な制吐予防が、 治療遵守と臨床的ベネフィットの最大化に重要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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