HOKUTO編集部
3日前

抗CD38モノクローナル抗体(mAb)およびレナリドミド(LEN)による治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)を対象に、経口セレブロンE3リガーゼモジュレーター (CELMoD) のmezigdomide+カルフィルゾミブ+デキサメタゾンの併用療法(MeziKd)の有効性および安全性をカルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)と比較した第Ⅲ相無作為化比較試験SUCCESSOR-2の結果、MeziKdが無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが示された。米・Dana-Farber Cancer InstituteのPaul G. Richardson氏が発表した。
2次治療に進む多発性骨髄腫患者では、抗CD38 mAbおよびLENへの曝露例および抵抗性を示す例が増えており、治療選択肢が限られている¹⁾²⁾。
Mezigdomide (Mezi) は強力な経口CELMoDで、従来の免疫調節薬 (IMiD) と比べて骨髄腫細胞の細胞死と免疫刺激の誘導を強化することが示されている³⁾。
本試験では抗CD38 mAbおよびLENに曝露後のRRMMに対して広く用いられる標準治療の一つであるKdにMeziを上乗せする意義を検証した。
SUCCESSOR-2は2段階で構成され、 抗CD38 mAbおよびLENを含む1ライン以上の前治療歴を有し、病勢進行を認める成人RRMM患者を対象に実施された。試験の第1段階ではMezi 0.3/0.6/1.0mgの3用量にKdを併用する群とKd群に3:3:3:2で割付けて至適用量を評価した。 これにより第2段階で投与するMeziの用量は1.0mgに設定された。 第2段階では以下の2群に3:2で割付け、 有効性と安全性を比較した。 解析対象は計479例だった。
主要評価項目は独立判定委員会[IRC]評価によるPFSだった。副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、安全性などだった。 データカットオフは2026年1月15日、追跡期間中央値は10.6ヵ月だった。
対象集団は治療抵抗性が高く、92.1%にトリプルクラスの曝露歴があり、85.8%が抗CD38 mAb抵抗性、75.8%がLEN抵抗性だった。前治療ライン数中央値は2で、 治療期間中央値はMeziKd群8.9ヵ月(最長32.1ヵ月)、 Kd群6.2ヵ月(最長25.0ヵ月)だった。 データカットオフ時点でそれぞれ52.4%、31.4%が治療を継続していた。
PFS中央値はMeziKd群18.0ヵ月(95%CI 14.5-22.1ヵ月)、Kd群8.3ヵ月(同5.6-10.7ヵ月)で、MeziKd群における有意な改善が示された(HR 0.48 [95%CI 0.36-0.63]、p<0.0001)。
また、 MeziKdのPFSベネフィットは前治療ライン数が2超、 高リスク染色体異常、軟部組織形質細胞腫、 髄外病変、75歳以上などの予後不良因子を有する例のほか、 抗CD38 mAbとLENのいずれに対しても抵抗性を示す例でも一貫して認められた。
ORRはMeziKd群が80.2%、Kd群が53.4%であり、完全奏効 (CR) もしくはそれ以上(complete response or better)の割合はそれぞれ26.7%、8.9%と、 いずれもMeziKd群で大幅に高かった。OSはイベント数が不十分でデータはimmatureながらMeziKd群で良好な傾向が示された(HR 0.79 [95%CI 0.54-1.15])。
Grade 3-4の治療中に発現した有害事象(TEAE)はMeziKd群で83.7%、 Kd群で56.5%にみられ、 好中球減少症の発現率はそれぞれ61.1%、 9.1%だった。 好中球減少症は用量調整やG-CSFで管理可能で、好中球減少を理由に治療を中止した例はMeziKd群の1例のみだった。
Richardson氏は 「経口Meziと週1回のカルフィルゾミブ静注の併用療法は地域医療を含む多様な医療現場で容易に実施可能な治療法であり、 RRMMに対する新たな標準治療となる可能性がある」 と報告した。
1) Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 May;25(5):337-348.e2.
2) Blood Adv. 2024 Oct 8;8(19):5062-5071.
3) Science. 2022 Nov 4;378(6619):549-553.
💊KRd / Kd (Cd) 56mg/m² / weekly Kd(wKd)70mg/m²
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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