海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Buyyounouskiらは、 前立腺摘除術を施行する患者を対象に、 前立腺摘除後の分割照射療法 (COPORT) に対する寡分割照射療法 (HYPORT) が性器尿路 (GU) 症状および消化器 (GI) 症状に対し非劣性かどうかを第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 24ヵ月時点のGUおよびGIの平均変化スコアについて、 HYPORTはCOPORTに対し非劣性であることが示された。 本研究は、 JAMA Oncolにおいて発表された。
主要評価項目が patient-reported questionnairesである点はどうしても本研究のlimitationとなりますが、 全体としてacceptableです。
前立腺摘除術後のHYPORTとCOPORTの効果を比較した臨床試験はこれまでにない。
前立腺摘除術後に前立腺特異抗原 (PSA, ≧0.1ng/mL) が検出され、 pT2/3pNX/0病変を有する患者、 またはPSAが検出されず (<0.1ng/mL未満)、 pT3病変または手術断端陽性のpT2病変を有する患者 : 296例
患者を以下の2群に無作為に割り付けた。
2年時点のExpanded Prostate Cancer Composite Index (EPIC) の腸領域および泌尿器領域スコアのベースラインからの変化
放射線療法終了時、 6ヵ月および12ヵ月時の平均GU変化スコアは両群に臨床的重要性はなく、統計学的有意差も認められなかった。
放射線療法終了時に両群に臨床的重要性および統計的有意差が認められた。 しかしこの有意差は6ヵ月および12ヵ月時には消失した。
p<0.001
HYPORT群はCOPORT群に対し非劣性だった (非劣性マージン : -5点および-6点)。
GUスコア
p=0.005
GIスコア
p=0.02
著者らは 「HYPORTはCOPORTと比較してRT終了時に患者報告による平均GI変化スコアが大きかったが、 両群とも6ヵ月以内にベースラインレベルまで回復した。 2年後の時点で、 HYPORTはCOPORTに比べ、 GUおよびGIの平均変化スコアにおいて非劣性であった。 したがってHYPORTは、 前立腺摘除術後に放射線療法を受ける患者にとって、 許容される治療といえる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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