海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Jiangらは、 UK Biobankに登録された女性を対象に、 関節リウマチの発症リスクとホルモンおよび生殖に関わる因子との関係を前向きコホート研究で検討した。 その結果、 特定のホルモンと生殖に関連する因子が関節リウマチの発症リスクの増加と関連していることが明らかとなった。 本研究はRMD Open誌において発表された。
全ての著者が中国の機関に所属していますが、 今回はUK Biobankを用いて研究がなされています。 UK Biobankは英国政府がサポートしていますのでその辺りの詳しい事情がわかりませんが、 今後同じような解析方法が散見されるかもしれません。
UK Biobankに登録された女性 (22万3,526例) から、 ホルモンや生殖に関わる因子に関するデータを抽出し、 関節リウマチの発症リスクとの潜在的関連を評価した。
追跡期間中央値12.39年の間に、 1.5% (3,313例) が関節リウマチを発症していた。
初潮年齢が14歳を超える女性は、 初潮年齢が13歳の女性に比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
HR 1.13 (95%CI 1.02-1.26)
閉経年齢が45歳未満の女性は、 閉経年齢が50~51歳の女性と比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
HR 1.46 (95%CI 1.27-1.67)
生殖年齢が33歳未満の女性は、 生殖年齢が38~39歳の女性と比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
HR 1.39 (95%CI 1.21-1.59)
子どもが4人以上いる女性は、 2人の女性に比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
HR 1.18 (95%CI 1.04-1.34)
子宮摘出術または卵巣摘出術を受けた女性は、 受けていない女性に比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
子宮摘出術 : HR 1.40 (95%CI 1.25-1.56)
卵巣摘出術 : HR 1.21 (95%CI 1.08-1.35)
HRTの使用歴がある女性は使用歴のない女性に比べ、 関節リウマチの発症リスクが高かった。
HR 1.46 (95%CI 1.35-1.57)
HRTの使用期間が1年増えるごとに、 関節リウマチの発症リスクが高くなった。
HR 1.02 (95%CI 1.01-1.03)
特定のホルモンおよび生殖に関連する因子が女性の関節リウマチの発症リスクと関連していることが明らかとなった。 関節リウマチ患者のリスクの評価および管理計画の策定において、 これらの因子を考慮することの重要性が示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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