海外ジャーナルクラブ
1年前
Huoberらは、 HER2陽性転移性乳癌の患者を対象に、 ペルツズマブ+トラスツズマブに対する化学療法の上乗せ効果を無作為化比較試験の二次解析で検討。 その結果、 化学療法を併用しない抗HER2療法はOSに悪影響を及ぼさず、 実行可能であることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において掲載された。
PFS中央値がPT群:8.4カ月に対して化学療法併用群:23.3カ月と有意に長いですが、 最も大切なQOLは化学療法併用群の方が悪そうであり、 OSを考えて結論に至っていると思われます。
HER2陽性転移性乳癌では、 トラスツズマブ+ペルツズマブとタキサン系化学療法との併用が標準治療である。 しかし、 トラスツズマブ+ペルツズマブのみでも有効であることが確認されているため、 最適な第一選択治療であるとは言い切れない。
HER2陽性MBC患者:210例
患者を以下の群に無作為に割り付け。
治療群別の2年OS、 1次治療のPFS、 2次治療のPFS、 QOL
HER2高発現集団と低発発現集団でOS、 PFSに顕著な差はなかった。
有害事象は化学療法を併用しない方が少なかった。
ベースラインからのQOLの改善はPT群でわずかに認められ、 化学療法併用群では変化がなかった。
化学療法を伴わない抗HER2療法が、 OSに有害な影響を及ぼさずに実行可能であることが示された。 マイクロアレイシグネチャーによる50遺伝子の予測解析は、 このアプローチに最も適した患者集団の同定には役立たなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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