【JAMA Oncol】ペルツズマブ+トラスツズマブに化学療法併用なしでもOS変わらず:HER2陽性乳癌
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Oncol】ペルツズマブ+トラスツズマブに化学療法併用なしでもOS変わらず:HER2陽性乳癌

【JAMA Oncol】ペルツズマブ+トラスツズマブに化学療法併用なしでもOS変わらず:HER2陽性乳癌
Huoberらは、 HER2陽性転移性乳癌の患者を対象に、 ペルツズマブ+トラスツズマブに対する化学療法の上乗せ効果を無作為化比較試験の二次解析で検討。 その結果、 化学療法を併用しない抗HER2療法はOSに悪影響を及ぼさず、 実行可能であることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において掲載された。

📘原著論文

Pertuzumab Plus Trastuzumab With or Without Chemotherapy Followed by Emtansine in ERBB2-Positive Metastatic Breast Cancer: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2023 Aug 10;e232909. PMID: 37561451

👨‍⚕️監修医師のコメント

PFS中央値がPT群:8.4カ月に対して化学療法併用群:23.3カ月と有意に長いですが、 最も大切なQOLは化学療法併用群の方が悪そうであり、 OSを考えて結論に至っていると思われます。

🔢関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

HER2陽性転移性乳癌では、 トラスツズマブ+ペルツズマブとタキサン系化学療法との併用が標準治療である。 しかし、 トラスツズマブ+ペルツズマブのみでも有効であることが確認されているため、 最適な第一選択治療であるとは言い切れない。

研究デザイン

対象

HER2陽性MBC患者:210例

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け。

  • PT群:ペルツズマブ+トラスツズマブ投与
  • 化学療法併用群:ペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法 (パクリタキセルまたはビノレルビン) の併用

主要評価項目

治療群別の2年OS、 1次治療のPFS、 2次治療のPFS、 QOL

研究結果

2年OS

  • PT群:79.0% (90%CI 71.4-85.4%)
  • 化学療法併用群:78.1% (90%CI 70.4-84.5%)

1次治療のPFS中央値

  • PT群:8.4カ月 (95%CI 7.9-12.0カ月)
  • 化学療法併用群:23.3カ月 (95%CI 18.9-33.1カ月)

HER2高発現・低発発現集団の差

HER2高発現集団と低発発現集団でOS、 PFSに顕著な差はなかった。

有害事象

有害事象は化学療法を併用しない方が少なかった。

ベースラインからのQOLの改善

ベースラインからのQOLの改善はPT群でわずかに認められ、 化学療法併用群では変化がなかった。

結論

化学療法を伴わない抗HER2療法が、 OSに有害な影響を及ぼさずに実行可能であることが示された。 マイクロアレイシグネチャーによる50遺伝子の予測解析は、 このアプローチに最も適した患者集団の同定には役立たなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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