【JAMA Network Open】ビタミンD3でp53免疫反応性の消化管癌の再発/死亡リスクが低減
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1年前

【JAMA Network Open】ビタミンD3でp53免疫反応性の消化管癌の再発/死亡リスクが低減

【JAMA Network Open】ビタミンD3でp53免疫反応性の消化管癌の再発/死亡リスクが低減
Kannoらは、 p53免疫反応性を有する消化管癌患者を対象に、 ビタミンD3補充が再発や死亡に与える影響について無作為化二重盲検試験AMATERASUで検討。 その結果、 ビタミンD3補充は再発または死亡のリスクを低下させることが明らかになった。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。

📘原著論文

Effect of Vitamin D Supplements on Relapse or Death in a p53-Immunoreactive Subgroup With Digestive Tract Cancer: Post Hoc Analysis of the AMATERASU Randomized Clinical Trial.JAMA Netw Open. 2023 Aug 1;6(8):e2328886. PMID: 37606927

👨‍⚕️監修医師のコメント

著者グループのビタミンD研究はビタミン研究が大好きな日本が世界に誇れる数少ない研究の1つです。


背景

最近のメタ解析により、 ビタミンD3の補充が癌の死亡率に有益な影響を与えることが示されている。

研究デザイン

対象

2010年1月~2018年2月に消化管癌を発症した患者:417例

介入

患者を以下の群に割り付け。

  • ビタミンD群:ビタミンD3カプセル (2,000IU/日)
  • プラセボ群

主要評価項目

5年後の再発または死亡

p53免疫反応性は、 血清中の抗p53抗体陽性と癌細胞の99%以上における癌抑制タンパク質p53の核内蓄積と定義。

研究結果

5年無再発生存率 (RFS)

p53免疫反応性 (80例) の5年RFSはビタミンD群で有意に高かった。

  • ビタミンD群:80.9%
  • プラセボ群:30.6%
  • HR 0.27、 95%CI 0.11-0.61、 P=0.002

非p53免疫反応性 (252例) の5年RFSに有意差はなく、 p53免疫反応性におけるビタミンDの効果とは有意に異なっていた (交互作用のP=0.005)。

  • ビタミンD群:22.2%
  • プラセボ群:21.1%
  • HR 1.09、 95%CI 0.65-1.84

結論

p53免疫反応性を有する消化管癌患者において、 ビタミンD3の補充は再発または死亡のリスクを有意に低下させる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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