海外ジャーナルクラブ
1年前
Barnesらは、 認知症の家族歴があり認知機能障害のない高齢者を対象に、 MIND食 (地中海食とDASH食のハイブリッド) の効果を無作為化比較試験で検討。 その結果、 MIND食と対照食の間で、 ベースラインから3年目までの認知機能および脳MRIアウトカムの変化に有意差は認められなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
今回のような食事やさまざまな民間療法がアカデミアの客観的な評価を受けるようになることは今後に必要なことです。 本研究成果がNEJMで採用されたことに大きな意味があると思います。
過去の観察研究において、 食事様式が認知機能低下に対し予防効果をもたらす可能性が示唆されたが、 臨床試験データは限られている。 MIND食は、 地中海食とDASH食 (Dietary Approaches to Stop Hypertension;高血圧を防ぐ食事) のハイブリッドであり、 認知症のリスク低下と関連があるとされる食品を含むように調整されている。 その効果を検証した。
認知機能障害がなく、 かつ認知症の家族歴があり、 BMI>25kg/m²、 不適切な食事をしていると自己申告する高齢者
参加者を1:1の割合で、 MIND食または対照食を3年間続けるように割り付け
Global Cognition Scoresと4つの各認知領域ごとのスコアのベースラインからの変化
MRI所見の変化
ベースラインから3年目まで、 両群でGlobal Cognition Scoresの改善が観察され、 MIND食群で0.205standardized units、 対照食群で0.170standardized unitsの増加が認められた。
MRIにおける変化は両群で同様であった。
認知症の家族歴を有する認知機能に障害のない参加者において、 ベースラインから3年目までの認知機能および脳MRIの変化は、 MIND食を摂取した群と軽度のカロリー制限を伴う対照食を摂取した群の間で有意差は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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