海外ジャーナルクラブ
9日前

Yanらは、 腹膜転移を有する未治療胃癌患者において、 静注パクリタキセル+S-1に腹腔内パクリタキセルを追加することによる効果を第Ⅲ相無作為化比較試験 (DRAGON-01) で検証した。 その結果、 腹腔内投与を併用したIP群では、 静注パクリタキセル+S-1のみのPS群と比較して全生存期間 (OS) を有意に延長した (19.4ヵ月 vs 13.9ヵ月)。 無増悪生存期間はIP群で11.2ヵ月、 PS群で7.2ヵ月であった。 安全性に関して、 グレード3/4有害事象の発現率に両群で大きな差はなかった。 試験結果はJAMA Oncol誌に発表された。
MSIやPD-L1などのバイオマーカーデータが欠如しており、 現在のバイオマーカー主導治療時代における患者背景評価には限界があります。
腹膜転移を伴う胃癌は予後不良で、 既存レジメンの効果も限定的である。 腹腔内で高い薬物濃度を達成する腹腔内パクリタキセルが生存を改善し得るかどうかは第Ⅲ相無作為化比較試験では確立されていないことから、 本研究では、 静注パクリタキセル+S-1に腹腔内パクリタキセルを追加することで全生存期間が改善するかを検証した。
本研究は、 中国で実施された第Ⅲ相・多施設共同・非盲検・優越性・無作為化比較試験 (DRAGON-01) であり、 対象は腹膜転移を有する未治療の胃癌患者であった。
患者を、 腹腔内および静注パクリタキセル+経口S-1群 (IP群) と静注パクリタキセル+S-1群 (PS群) に2:1で無作為化し、 両群とも21日1サイクルにて、 S-1は80mg/m²を1日1回1~14日目に経口投与した。 IP群では1日目・8日目にパクリタキセル50mg/m²を静脈内投与し、 20mg/m²を腹腔内投与した。 PS群では1日目・8日目にパクリタキセル70mg/m²を静脈内投与した。
主要評価項目は全生存期間 (OS) とした。 副次評価項目には、 無増悪生存期間 (PFS) および安全性を含めた。
追跡期間中央値は72.2ヵ月であった。 222例 (90.2%) が治療を受け、 主要解析の対象となった。
IP群ではOSの有意な延長を認めた。
OS中央値
HR 0.67 (95%CI 0.50-0.90、 p=0.01)
PFS中央値
HR 0.72 (95%CI 0.54-0.96)
グレード3/4の有害事象は、 IP群で57例 (38.5%)、 PS群で31例 (41.9%) に発現した。 治療関連死は認められなかった。
著者らは、 「腹膜転移胃癌患者において、 静注パクリタキセル+S-1に腹腔内パクリタキセルを追加することで、 重篤な毒性を増加させることなくOSが有意に延長することが示唆された。 本結果は、 腹膜転移胃癌の1次治療における腹腔内療法の有望な可能性を示すものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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