寄稿ライター
8ヶ月前
医局ウォッチャーこと、 コアライ ミナトです。 連載11回目のテーマは 「医局の辞め方」。 これは僕自身の失敗談です。
医局を辞めたこと自体に後悔はありませんし、 当時の上司・同僚とは今も良い関係を継続しています。 ただ 「ちょっと余計だったな」 という後悔が1つ残っています。
僕の失敗は 「退局をほのめかしたあとに、 医局に残る道がないかを探ってしまったこと」 です。
辞意を伝えた後、 ありがたいことに医局からの引き止めがありました。 それに対して 「こんなところがしんどい」 「こういう条件ならば残れるかも」 などの話し合いをしました (結局は折り合えず、 そのまま退局しました)。
長く勤めた医局で思い入れもあり、 「辞めるのが怖い」 という弱さもあったと思います。
ただ、 結果として、 それが時間の引き伸ばしにつながり、 人事に多少の影響が出たようです。
辞める理由や残留条件を詳しく話すことは、 医局の批判につながります (そんなつもりはなくても)。 「退局をちらつかせて条件交渉を行った」 「医局側が譲歩したのにわがままだ」 という見方をする人もいたでしょう。
医局の引き止めに応じても、 良い結果につながる可能性は低いようです。 引き止めに応じた人が僕の周囲に5人ほどいます。 その全員が、 結局は数年以内に辞めてしまっているのです。
個人の要望や不満によって、 体制を大きく変えるのは難しいでしょう。 一旦は不満が解消されたように見えても、 なし崩し的に元に戻ってしまうことも多いです。
ひどい場合には 「前回はそちらの要望を聞いたのだから、 次はこちらの条件が飲め」 と、 より悪い条件を突きつけられてしまうことも。
何年にも渡り医局と話し合いを重ねたり、 何度も転職活動をしたり、 かなり消耗してしまいそうです。
そんな失敗を経て、 僕は現在、
幹部 (医局ならば教授・医局長) に辞意を伝えたのならば、 そこから先はブレない
ことを心に決めています。 「身近な人への相談や愚痴」 と 「幹部への表明」 の間にラインを引くイメージです。
どんな形であれ辞めるという結果は変わりませんが、 「去り際を美しく」 という点にも気を配りたいものです。
今回は以上です。
>>著者が運営するブログはコチラ : 「勤務医のマーチ」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。