【第Ⅲ相試験】乳癌におけるAC療法
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1年前

【第Ⅲ相試験】乳癌におけるAC療法

【第Ⅲ相試験】乳癌におけるAC療法
転移性乳癌患者において、 ドキソルビシン+パクリタキセル (AT療法) の効果をドキソルビシン+シクロホスファミド (AC療法) を対照に検証した第Ⅲ相比較試験の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) の有意な延長と奏効率の改善は認められなかった。

原著論文

▼解析結果

Doxorubicin and paclitaxel versus doxorubicin and cyclophosphamide as first-line chemotherapy in metastatic breast cancer: The European Organization for Research and Treatment of Cancer 10961 Multicenter Phase III Trial. J Clin Oncol. 2002 Jul 15;20(14):3114-21. PMID: 12118025

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第Ⅲ相試験の概要

対象

アントラサイクリンおよびタキサン系製剤未使用で、 転移性病変に対する化学療法の前治療歴がない転移性乳癌患者

方法

275例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • AT群 (138例)
ドキソルビシン60mg/m²+パクリタキセル175mg/m²
  • AC群 (137例)
ドキソルビシン60mg/m²+シクロホスファミド600mg/m²

評価項目

主要評価項目:PFS

副次評価項目:奏効率、 OS、 安全性

第Ⅲ相試験の結果

患者背景

両群で同様であった。

PFS中央値

  • AT群:6ヵ月
(95%CI 5.1-6.8ヵ月)
  • AC群:6ヵ月
(95%CI 5.1-6.8ヵ月)
HR 1.06 (95%CI 0.83-1.35)、 p=0.65

PFSの多変量解析

無病生存期間2年以上/以下、 50歳以上/以下、 内臓疾患の有無、 病変部位数1/2-3/3以上で評価を行い、 病変部位数のみが統計的に有意であった (p=0.018) 。

  • 2~3部位vs1部位
HR 1.28 (95%CI 0.93-1.76)
  • 3部位以上vs1部位
HR 1.69 (95%CI 1.17-2.43)

奏効率

  • AT群:58%
  • AC群:54%
p=0.51

奏効期間中央値

  • AT群:5.4ヵ月
(95%CI 4.7-6.6ヵ月)
  • AC群:5ヵ月
(95%CI 4.5-5.8ヵ月)

OS中央値

  • AT群:20.6ヵ月
(95%CI 18.3-23.4ヵ月)
  • AC群:20.5ヵ月
(95%CI 16.2-25.3ヵ月)
HR 0.90 (95%CI 0.67-1.21)、 p=0.49

有害事象 (AE)

  • Grade4の好中球減少症は2群で同程度であったが、 発熱性好中球減少症はAT群 (32%) の方がAC群 (9%) より多かった (p<0.001) 。
  • 関節痛/筋肉痛および神経毒性はAT群で多く、 Grade3、 4の嘔気・嘔吐はAC群で多かった。

著者らの結論

転移性乳癌患者において、 AT群はAC群と比較し、 PFS、 OS、 奏効率の有意な改善は認められなかった。

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