海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Bollandらは、 早期閉経後女性を対象に、 ゾレドロン酸を5年ごとに投与した際の椎体骨折予防効果について、 前向き二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した。 その結果、 5年ごとの投与により10年後の椎体形態骨折予防効果が明らかとなった。 本研究はNEJMにて発表された。
本研究対象は早期閉経後女性であるため、 高齢女性、 男性、 骨粗鬆症患者への臨床応用は別途考えていく必要があります。
ゾレドロン酸は、 12~18ヵ月ごとに投与することで高齢女性の骨折予防に効果があり、 骨密度および骨代謝回転に対する効果が5年以上持続することが報告されている。
一方、 早期閉経後女性では、 投与頻度を減らしても椎体骨折を予防できるかは明らかになっていなかった。
腰椎、 大腿骨頚部、 股関節いずれかの骨密度Tスコアが -2.5~0の早期 (50~60歳) 閉経後女性を以下の3群に無作為に割り付け、 前向き二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験を行った。
1.ゾレドロン酸-ゾレドロン酸群
2.ゾレドロン酸-プラセボ群
3.プラセボ-プラセボ群
主要評価項目は形態椎体骨折*とし、 副次評価項目は脆弱性骨折、 全骨折、 骨粗鬆症による主な骨折とした。
試験開始時の登録者 (平均年齢56.0歳) 1,054例のうち、 1,003例 (95.2%) が10年間の追跡を完了した。
ゾレドロン酸を5年ごとに投与した群では、 プラセボ群と比較して椎体形態骨折のリスクが低下した。 特にゾレドロン酸を2回投与すると (ゾレドロン酸-ゾレドロン酸群)、 有意な効果が認められた。
形態骨折の相対リスク
その他の骨折においても、相対リスクはゾレドロン酸-ゾレドロン酸群の方がゾレドロン酸-プラセボ群に比べてわずかに低い傾向を認めた。各骨折発生の相対リスク (vs プラセボ-プラセボ群) は以下の通り。
ゾレドロン酸-ゾレドロン酸群
ゾレドロン酸-プラセボ群
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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