HOKUTO編集部
11日前

症候性の発作性または持続性心房細動 (AF) 患者を対象に、 肺静脈隔離 (PVI) によるカテーテルアブレーションとシャム手技を比較した二重盲検無作為化比較試験PVI-SHAM-AFの6ヵ月成績が報告され、 AF関連QOLスコアの変化量に群間差は認められなかった。 ドイツ・University Hospital LeipzigのRolf Wachter氏が発表した。 同試験の詳細は、 Lancet誌2026年8月30日オンライン版¹⁾に掲載された。
欧州心臓病学会 (ESC) のガイドラインでは、 発作性・持続性AFの症状軽減を目的としたPVIが推奨されている。 しかし、 患者報告アウトカムを評価した主要な無作為化比較試験の多くは非盲検であり、 症状改善に対するプラセボ効果の影響は明らかでない。 シャム対照試験もSHAM-PVI試験 (126例) とPFA-SHAM試験 (60例) の2件に限られ、 いずれも小規模だった。
ドイツ・ポーランドの9施設による医師主導試験で、 対象は18歳以上の症候性の発作性または持続性AFで、 class IまたはIIaのアブレーション適応を有する患者だった。 262例を以下の2群に2:1で無作為に割り付けた。
主要評価項目はAF関連QOL質問票 (AFEQT) サマリースコアのベースラインから6ヵ月までの変化量の群間差だった。
AFEQTサマリースコア平均は、 アブレーション群で61.3点から81.1点、 シャム群で59.2点から74.9点へ上昇した。 ベースラインから6ヵ月後までの変化量の群間差は2.6点 (95%CI -2.7~8.0、 p=0.36) で、 アブレーションの優越性は示されなかった。
AFEQTの下位尺度では、 症状、 日常活動、 治療満足度がアブレーション群で良好だった一方、 治療への懸念、 SF-36身体機能、 EQ-5D-3Lでは明確な群間差を認めなかった。
臨床的に確認されたAF再発は、 アブレーション群で173例中22例 (13%)、 シャム群で89例中17例 (19%) だった (HR 0.66 [95%CI 0.35~1.24])。 一方、 6ヵ月時の7日間ホルター心電図によるAF検出率は、 それぞれ21%と41% (調整群間差 -20.1ポイント [95%CI -32.6~-7.7])、 平均AF負荷は11.6%と23.6% (同 -11.9ポイント [95%CI -21.0~-2.8]) で、 いずれもアブレーション群で低かった。
手技に関連または関連する可能性があると判定された重篤な有害事象は、 アブレーション群で6例 (4%)、 シャム群で4例 (4%) に発生した。 死亡は各群1例だったが、 いずれも手技との関連は否定された。 シャム群では手技2日後に虚血性脳卒中が1例発生した。 また、 血管アクセス部位の合併症はアブレーション群で3例、 シャム群で2例に認められたが、 輸血を要した症例はなかった。
Wachter氏は「カテーテルアブレーションは6ヵ月時のAFEQTサマリースコア改善においてシャム手技への優越性を示さなかった一方、 副次的なリズム関連評価項目では良好な結果が得られた。 アブレーション後の症状改善のすべてを手技そのものの効果とみなすことはできず、 患者への説明では、 客観的なリズムコントロール効果と患者報告QOLへの効果を区別する必要がある」と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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