海外ジャーナルクラブ
1年前
Matsuoらは、 悪性新生物患者におけるCOVID-19の性差ごとの致死リスクをコホート研究で検討。 その結果、 COVID-19の院内症例死亡リスクは男性に比べて女性で低かったが、 悪性新生物とCOVID-19症例死亡率との関連は、 男性よりも女性において大きかった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
本研究もその他の悪性腫瘍関連大規模コホート研究と同じで悪性腫瘍のdisease status, cancer therapyなどの情報がなく、 最大のlimitationです。 しかしながら、 論文採用されていることが多く、 同様のlimitationのある場合にも思い切って論文化が可能だと言えると思います。
悪性新生物患者におけるCOVID-19感染と死亡率の特徴については以前から検討されているが、 性別ごとのCOVID-19死亡率についてはほとんどデータが得られていない。
2020年4~12月にCOVID-19感染診断を受けて入院した患者
悪性新生物の診断
COVID-19院内症例致死率
入院したCOVID-19の診断を受けた患者は162万2,755例であり、 コホートレベルのCOVID-19院内症例致死率は12.9%であった。
多変量解析では、 性別 (男性:14.5% vs. 女性:11.2%、 aOR 1.28、 95%CI 1.27-1.30)、 悪性新生物 (17.9% vs. 12.7%) ともに、 コホートレベルでCOVID-19院内症例致死リスクの増加と関連した。
女性患者群では、 以下の悪性新生物においてCOVID-19の院内症例致死リスクが2倍以上となった。
男性患者群では、 以下の悪性新生物においてCOVID-19院内症例死亡リスクが2倍以上となった。
2020年の米国におけるパンデミック初期の経験において、 COVID-19患者の症例致死率がかなり高いことが確認された。 COVID-19の院内症例死亡リスクは男性に比べて女性で低かったが、 悪性新生物の併発とCOVID-19症例死亡率との関連は、 男性よりも女性で全体的に大きかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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