海外ジャーナルクラブ
2年前
Kimらは、 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) の患者を対象に、 R-CHOP併用療法を午前または午後に行う場合の生存転帰と忍容性を検討。 その結果、 女性のDLBCL患者においては、 午後にR-CHOPを行うことで、 有効性と生存率を向上させるとともに、 毒性を軽減しうることが示唆された。 本研究は、 JCI Insight誌において発表された。
観察研究から導かれた仮説の提唱です。 Abstractの結論は強すぎる印象は否めませんが、 治療時間 (午前、 午後) への着目は斬新です。
時間治療 (クロノセラピー) とは、 薬効を最適化し、 副作用を最小限に抑えるために、 1日のうち特定の時間帯に薬物介入を行うことである。
DLBCL患者
2つのコホートにおいて、 R-CHOP併用投与を午前または午後に行う場合の生存率と薬剤耐性をそれぞれに評価。
午前中に治療を受けた女性患者は、 午後に治療を受けた女性患者よりもPFSとOSが有意に短かかった。
投与強度は午前中に治療を受けた女性患者において低下した。 これは主に感染症と好中球減少症に起因するものであった。
午前中に治療を受けた女性患者は、 午後に治療を受けた患者と比較して、 感染症と発熱性好中球減少症の発生率が高くなった。
感染症
発熱性好中球減少症
女性のDLBCL患者において、 午後にR-CHOPを投与することは、 有効性と生存率を向上させるとともに、 毒性を軽減しうる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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