【論文】FENaによるAKI鑑別は尿量減少の患者に最も有効 (利尿薬使用中は限定的)
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【論文】FENaによるAKI鑑別は尿量減少の患者に最も有効 (利尿薬使用中は限定的)

【論文】FENaによるAKI鑑別は尿量減少の患者に最も有効 (利尿薬使用中は限定的)
Abdelhafez Mらは、 1,287名の患者を対象とした19試験をもとに、 FENaを用いたAKI鑑別の精度をメタ解析で検討した. その結果、 FENaによるAKI鑑別は、 CKD患者や利尿剤治療中の患者においては限定的であり、 尿量減少がある場合に最も有用であることが明らかとなった. 本研究はClin J Am Soc Nephrol誌において発表された.

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背景

入院患者におけるAKIの原因は、 腎前性AKIと腎性AKIが最も多くなっている. 本研究は、 これらの鑑別のために用いられるFENaの精度を検討することを目的とした.

研究デザイン

成人AKIの鑑別としてFENaを評価した研究をもとに、 二変量ランダム効果モデルを用いてメタ解析を実施した.

MEDLINE、 Embase、 Cochrane Central Register of Controlled Trials、 Cochrane Library、 Scopusから検索

研究結果

19試験 1,287名の患者が対象となった. 解析結果は以下の通りであった.

AKIの鑑別でFENa1%を閾値とした15試験のサブセット解析 (872名)

  • 感度:90%(95%CI 81~95%)
  • 特異度:82%(95%CI 70~90%)

サブグループ解析

CKD or 利尿剤投与患者を含む6試験 (511名)

  • 感度:83%(95%CI 64~93%)
  • 特異度:66%(95%CI 51~78%)

利尿薬投与患者を対象とした5試験 (238名)

  • 感度:80%(95%CI 69~87%)
  • 特異度:54%(95%CI 31~75%)

CKD既往や利尿薬治療歴のない乏尿患者を対象とした8試験 (264名)

  • 感度:95%(95%CI 82%~99%)
  • 特異度: 91%(95%CI 83%~95%)

結論

AKIの鑑別におけるFENaの有用性は、 CKDの既往がある患者や利尿剤治療中の患者においては限定的であり、 尿量減少がある場合に最も有用であった.

原著

Abdelhafez M, et al, Diagnostic Performance of Fractional Excretion of Sodium for the Differential Diagnosis of Acute Kidney Injury: A Systematic Review and Meta-Analysis. Clin J Am Soc Nephrol. 2022 Jun;17(6):785-797.PMID: 35545442

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
国家試験から覚えている知識もこのような研究をもとにアップデートが必要ですね.  FENaをただ計算できるサイトよりも今回の結果のような注意点が分かるようになっているサイトに価値があると思います.
HOKUTO計算ツールにも上記内容を後日追加いたします.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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