海外ジャーナルクラブ
1年前
Dijkらは、 早期関節炎患者のMRI画像を基に、 手の骨間筋腱炎症 (ITI) の有病率と臨床症状との関係をコホート研究で評価。 その結果、 ITIは関節リウマチ (RA) や他の関節炎で定期的に見られ、 手関節に好発し、 急性期反応物質を増加させることが明らかとなった。 本研究はArthritis Rheumatol誌において発表された。
手の造影MRIを施行した患者群のためselection biasが大きく、 疫学的な数値の意味合いの解釈が難しいです。 4割弱というのはデータセットの4割弱という意味あいです。
mTSS (modified Total Sharp Score)
ITIはMRIによりRAや関節痛患者で最近同定された。
2010~20年の間にさまざまなタイプの早期関節炎を呈した患者:1,205例
早期RA患者 (532例) の36%にITIがみられ、 これは抗環状シトルリン化ペプチド抗体 (ACPA) 陰性群 (37%) と陽性群 (34%) で同様であった (p=0.53)。
ITIはRS3PE (60%) と結合組織病(44%)に多く、 診断未確定関節炎 (14%)、 乾癬性関節炎 (14%)、 炎症性変形性関節症 (8%)、 反応性関節炎 (7%)、 結晶性関節炎 (7%)、 末梢性脊椎関節炎 (4%) では少なかった。
ITIは、 手の関節炎に多く (p<0.001)、 急性相反応物質高値 (p<0.001) の診断時に多くみられた。
MRI画像では、 RA患者のITIにおいては中手指節 (MCP) の滑膜炎(OR 2.4、 95%CI 1.7-3.4)、 腱滑膜炎 (OR 2.4、 95%CI 1.8-3.3)、 骨炎(OR 2.2、 95%CI 1.6-3.1)の併発率が高かった。 また、 ITIの存在は、 年齢やMRIで検出された滑膜炎/腱滑膜炎/骨炎の有無とは無関係に、 MCP圧痛 (OR 1.6、 95%CI 1.2-2.1) および腫脹 (OR 1.8、 95%CI 1.3-2.6) と関係していた。
ITIはRAや他の関節炎で定期的にみられ、 手関節に好発し、 急性期反応物質を増加させる。 MCPレベルでは、 ITIは関節の圧痛や腫脹と独立して関連している。 従って、 ITIは、 特に広範で症候性の炎症を伴う関節炎患者に見られる、 新たに同定された炎症組織である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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