【JAMA】50歳以上の非心臓大手術でTIVA vs 吸入麻酔、 30日生存・在宅日数に差なし
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海外ジャーナルクラブ

18日前

【JAMA】50歳以上の非心臓大手術でTIVA vs 吸入麻酔、 30日生存・在宅日数に差なし

【JAMA】50歳以上の非心臓大手術でTIVA vs 吸入麻酔、 30日生存・在宅日数に差なし
Jhanjiらは、 待機的な非心臓大手術を予定する50歳以上の患者を対象に、 プロポフォールを用いた全静脈麻酔 (TIVA) と揮発性吸入麻酔を比較する多施設共同・非盲検の無作為化比較試験VITALを実施。 その結果、 主要評価項目である30日時点の生存・在宅日数 (days alive and at home) について、 有意な群間差は認められなかった。 一方、 TIVA群では口渇、 嗄声、 悪心・嘔吐の報告が少なかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。

📘原著論文

Total Intravenous vs Volatile Inhalational Anesthesia for Major Noncardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2026 Sep 22;336(12):1039-1049. PMID: 42584898

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

介入の性質上、 盲検化が困難であり、 患者報告アウトカムに影響した可能性があります。 ただし、 客観的アウトカムへの影響は限定的です。

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HOKUTO編集部

背景

高齢者の非心臓大手術、 TIVAと吸入麻酔で術後回復に差はあるか

非心臓大手術を受ける高齢者では、 術後合併症の発生や医療サービスの利用が多い。 一方、 全身麻酔の維持法としてTIVAまたは揮発性吸入麻酔を選択することが、 術後の回復や安全性に及ぼす影響は明らかでない。

本試験では、 TIVAが揮発性吸入麻酔と比べて、 術後30日時点の生存・在宅日数を改善するかを検証するとともに、 患者中心のアウトカムや術後回復への影響を評価した。

研究デザイン

英国49施設で50歳以上の2,508例を2群に無作為化

2022年1月~2024年4月に英国保健サービス (NHS) の 49施設で実施された、 プラグマティック・多施設共同・非盲検の無作為化比較試験である (最終追跡2024年10月)。 対象は、 待機的な非心臓大手術を予定する50歳以上の患者とした。

患者は全身麻酔の維持法により以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。 その他の周術期管理は担当医の裁量で行われた。

  • TIVA群 (1,254例)
   プロポフォール持続静注
  • 吸入麻酔群 (1,254例)
  揮発性吸入麻酔薬で麻酔を維持

主要評価項目は30日時点の生存・在宅日数*とした。 副次評価項目は90日時点の生存・在宅日数、 30日・90日・6ヵ月時点の死亡率、 3日目のQuality of Recovery-15 (QoR-15) スコア、 1日目の患者満足度 (Bauer患者満足度質問票で評価)、 3日目のせん妄 (4ATで評価)、 意図しない術中覚醒、 30日以内の重大な術後合併症などであった。

*生存・在宅日数: 術後30日間のうち、 生存して自宅で過ごした日数

結果

TIVAは30日生存・在宅日数を改善せず

無作為化された2,508例の平均年齢は67 (SD 8.9) 歳で、 55%が男性であり、 患者背景は両群でバランスがとれていた。

30日時点の平均生存・在宅日数はTIVA群が22.5 (SD 6.8) 日、 吸入麻酔群が22.4 (SD 6.6) 日であり、 有意な群間差は認められなかった (発生率比 [IRR] 1.00, 95%CI 0.99-1.02, 調整p=0.68)。

90日時点の生存・在宅日数、 30日~6ヵ月時点の死亡率も差なし

副次評価項目の90日時点の生存・在宅日数、 30日・90日・6ヵ月時点の死亡率、 3日目のQoR-15スコアについても、 両群間に差はなかった。 3日目のせん妄の程度は両群でおおむね同程度であり、 大多数 (87.6%) はせん妄がみられなかった。

TIVA群で術後の不快症状が少ない一方、 術中覚醒2例

TIVA群では口渇、 嗄声、 悪心・嘔吐の報告率が低かった。 重大な合併症は全体の12.4%に発生したが、 有意な群間差は認められなかった。

確実またはほぼ確実な意図しない術中覚醒は2例報告され、 いずれもTIVA群で発生していた。

結論

全身麻酔の維持にTIVAを用いても、 30日時点の生存・在宅日数は改善せず

著者らは、 「非心臓大手術を受ける高齢者では、 全身麻酔の維持をTIVAで行っても、 吸入麻酔と比べて30日時点の生存・在宅日数の改善は得られなかった」と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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