海外ジャーナルクラブ
18日前

Jhanjiらは、 待機的な非心臓大手術を予定する50歳以上の患者を対象に、 プロポフォールを用いた全静脈麻酔 (TIVA) と揮発性吸入麻酔を比較する多施設共同・非盲検の無作為化比較試験VITALを実施。 その結果、 主要評価項目である30日時点の生存・在宅日数 (days alive and at home) について、 有意な群間差は認められなかった。 一方、 TIVA群では口渇、 嗄声、 悪心・嘔吐の報告が少なかった。 試験結果はJAMA誌に発表された。
介入の性質上、 盲検化が困難であり、 患者報告アウトカムに影響した可能性があります。 ただし、 客観的アウトカムへの影響は限定的です。
非心臓大手術を受ける高齢者では、 術後合併症の発生や医療サービスの利用が多い。 一方、 全身麻酔の維持法としてTIVAまたは揮発性吸入麻酔を選択することが、 術後の回復や安全性に及ぼす影響は明らかでない。
本試験では、 TIVAが揮発性吸入麻酔と比べて、 術後30日時点の生存・在宅日数を改善するかを検証するとともに、 患者中心のアウトカムや術後回復への影響を評価した。
2022年1月~2024年4月に英国保健サービス (NHS) の 49施設で実施された、 プラグマティック・多施設共同・非盲検の無作為化比較試験である (最終追跡2024年10月)。 対象は、 待機的な非心臓大手術を予定する50歳以上の患者とした。
患者は全身麻酔の維持法により以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。 その他の周術期管理は担当医の裁量で行われた。
主要評価項目は30日時点の生存・在宅日数*とした。 副次評価項目は90日時点の生存・在宅日数、 30日・90日・6ヵ月時点の死亡率、 3日目のQuality of Recovery-15 (QoR-15) スコア、 1日目の患者満足度 (Bauer患者満足度質問票で評価)、 3日目のせん妄 (4ATで評価)、 意図しない術中覚醒、 30日以内の重大な術後合併症などであった。
無作為化された2,508例の平均年齢は67 (SD 8.9) 歳で、 55%が男性であり、 患者背景は両群でバランスがとれていた。
30日時点の平均生存・在宅日数はTIVA群が22.5 (SD 6.8) 日、 吸入麻酔群が22.4 (SD 6.6) 日であり、 有意な群間差は認められなかった (発生率比 [IRR] 1.00, 95%CI 0.99-1.02, 調整p=0.68)。
副次評価項目の90日時点の生存・在宅日数、 30日・90日・6ヵ月時点の死亡率、 3日目のQoR-15スコアについても、 両群間に差はなかった。 3日目のせん妄の程度は両群でおおむね同程度であり、 大多数 (87.6%) はせん妄がみられなかった。
TIVA群では口渇、 嗄声、 悪心・嘔吐の報告率が低かった。 重大な合併症は全体の12.4%に発生したが、 有意な群間差は認められなかった。
確実またはほぼ確実な意図しない術中覚醒は2例報告され、 いずれもTIVA群で発生していた。
著者らは、 「非心臓大手術を受ける高齢者では、 全身麻酔の維持をTIVAで行っても、 吸入麻酔と比べて30日時点の生存・在宅日数の改善は得られなかった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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