【インタビュー】第97回日本胃癌学会会長・宇山一朗氏に聞く
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HOKUTO編集部

3ヶ月前

【インタビュー】第97回日本胃癌学会会長・宇山一朗氏に聞く

【インタビュー】第97回日本胃癌学会会長・宇山一朗氏に聞く
第97回日本胃癌学会総会が3月12~14日に名古屋コンベンションホールで開催される。  「胃癌学のDIGITAL INNOVATION」 をテーマに、 多彩なプログラムが予定される同総会への思いや注目プログラムなどについて、 会長を務める藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学講座教授の宇山一朗氏に聞いた。

総会テーマへの思い

胃癌治療を学問視点で捉え、 AI等の最新技術に関する議論を

―総会テーマ「胃癌学のDIGITAL INNOVATION」 に込めた思いは

宇山氏 :

私はこれまで長らく低侵襲手術を専門としてきましたが、 キャリアの集大成として、 胃癌治療を学問的観点からも捉える意味を込め、 今総会テーマに 「胃癌学」 という言葉を使いました。

日本胃癌学会会員の約8割は外科医ですが、 内科医や病理医、 若手の先生方にも楽しんでいただけるようなプログラムを準備しています。 例えば、 AIなどの新しいトピックを取り入れた点も本会の特徴です。

注目プログラム 

必見は初日の特別講演3本

―特におすすめのプログラムを教えてください

宇山氏 :

初日の特別講演3本です。 特別講演1では、 国内初の手術支援ロボットhinotori™️の開発秘話やグローバル展開の経緯、 リーダーシップなどを、 橋本康彦氏 (メディカロイド社取締役会長/川崎重工業社代表取締役社長) に語っていただきます。

特別講演2では古川俊治先生 (慶應義塾大学法務研究科教授/医学部外科教授/弁護士/参議院議員) に、 日本の医療保険システムの課題と展望をお話しいただく予定です。

特別講演3は、 「動物言語学」を専門とする本邦初の研究室を主宰する鈴木俊貴先生(東京大学先端科学技術研究センター動物言語学分野准教授)に、 シジュウカラが文法に基づき鳴く仕組みなどを紹介していただきます。 いずれも興味深い内容になるでしょう。

▼特別講演のセッション名と演者一覧
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(第97回日本胃癌学会総会プログラムより編集部作成)

海外医師のプレナリーセッションや実臨床に直結のシンポジウムも

―特別講演以外で注目プログラムはありますか

宇山氏 :

同じく初日に行われるプレナリーセッション1では、 独・University Medical Centre of the Johannes Gutenberg-UniversityのGrimminger氏が食道胃接合部癌に対するロボット手術について講演します。 最先端ロボットの情報を得られる貴重な機会です。

プレナリーセッション2では、 米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのVivian先生が、 内科領域も含む基礎的な内容を講演する予定です。

このほか、 高齢者の胃癌治療に関するシンポジウムなど、 近年の胃癌治療において重要なポイントとなるプログラムを企画しています。 また、 デジタル技術を活用した胃癌学・胃癌治療におけるセッションも幅広く行われます。

胃癌治療GL第7版の改訂ポイントも解説

―3月発刊予定の『胃癌治療ガイドライン医師用 改訂版 (第7版)』に関するプログラムは

宇山氏 :

2日目 (3月13日) の9:10~10:10に、 最新版の改訂ポイントを解説するセッションを設けています。 主に薬物療法において変更が加わるとされており、 詳細はぜひ当日聴講の上ご確認ください。

JHPSSも同時開催

―同時開催される第9回日本ハンガリーポーランド外科学会への参加は可能でしょうか

宇山氏 :

第9回日本ハンガリーポーランド外科学会 (The Fifth Triangle Symposium of the Japan-Hungary-Poland Surgical Society;JHPSS) は合同開催ではないため参加費は別ですが、 第97回日本胃癌学会と併せて参加できます。 2日目には胃癌学会とのジョイントセッションも開催され、 胃癌領域に関する発表が行われる予定です。

会場の特徴と見どころ

学会初のロボット機器展示、 体験操作も

―名古屋での開催となりますが、 会場の特徴は

宇山氏 :

会場である名古屋コンベンションホールは名古屋駅から近く、 アクセスが良好です。 今回は日本胃癌学会初の試みとして、 手術支援ロボットなど医療機器の展示を行う予定です。 また、 現地ではテストドライブ (体験操作) も行います。 若手の先生方にも実際に最新の機器に触れていただくことで、 より胃癌治療に興味を持ってもらえれば嬉しいです。

HOKUTO医師会員へのメッセージ

宇山氏 :

第97回日本胃癌学会総会では胃癌を学問として捉え、 胃癌診療の発展に欠かせないデジタル技術を応用した手術・診断などに関する多彩なセッションを用意しています。 また会場ではロボット機器の展示・体験操作も行い、 若手の先生方の関心を高める工夫もしています。 外科、 内科、 病理を問わず、 幅広い領域の皆さまにご参加いただければ幸いです。

開催概要

【インタビュー】第97回日本胃癌学会会長・宇山一朗氏に聞く

学会名

第97回日本胃癌学会総会

同時開催 : 第9回日本ハンガリーポーランド外科学会 (The Fifth Triangle Symposium of the Japan-Hungary-Poland Surgical Society : JHPSS)

会期

2025年3月12日(水)~3月14日(金)

テーマ

胃癌学のDIGITAL INNOVATION

会長

宇山 一朗

(藤田医科大学 先端ロボット・内視鏡手術学講座)

会場

名古屋コンベンションホール

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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