海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Chailletらは、 カナダ・ケベック州の40の病院において帝王切開歴がある女性を対象に、 2年間の多面的介入 (ベストプラクティスの実施と出産法に関する患者中心の意思決定支援ツールの提供) が母体の重度周産期罹病リスクに与える影響を多施設クラスター無作為化比較試験PRISMAで検討した。 その結果、 介入群では対照群に比べて重度周産期罹病率および重度母体罹病率の有意な低下が確認された。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
多面的介入はとにかく一般化が難しいです。 つまり、 本研究の介入を自施設で真似ようにも医療システムが大きく異なる点から難しいことがあります。 それぞれの国で少しずつ調整した形というのが理想的です。
帝王切開歴がある女性は、 母体および周産期の合併症リスクから、 次の妊娠において帝王切開と経腟分娩のいずれを選択するか、 難しい判断を迫られる。
カナダ・ケベック州の40の病院において帝王切開歴が1回ある女性 : 2万1,281例
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
重度周産期罹病率
対照群に比べ介入群において有意な低下が認められた。
経時的漸増変化調整後のOR 0.72 (95%CI 0.52-0.99、 p=0.042、 調整後リスク差-1.2%)
対照群に比べ介入群において有意な低下が認められた。
調整後OR 0.54 (95%CI 0.33-0.89、 p=0.016)
両群間に有意差は認められなかった。
多面的介入により、 帝王切開や子宮破裂の割合を増加させることなく、 重度周産期罹病率および母体罹病率が有意に減少した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。