海外ジャーナルクラブ
2年前
DISCHARGE Trial Groupの研究者は、 閉塞性の冠動脈疾患 (CAD) の検査前確率が中程度で侵襲的冠動脈造影 (ICA) の対象となった安定狭心症患者を対象に、 初回画像診断戦略としてCTとICAの有効性を比較する無作為試験を実施 (DISCHARGE試験). 結果、 主要な有害心血管イベントのリスクは同程度であったが、 手技関連合併症の頻度は、 初回CT戦略でより低かったと報告した. 本研究はNEJM誌において発表された.
閉塞性のCADの診断では、 ICAがゴールドスタンダードな検査であるが、 非侵襲的な冠動脈CTも代替検査として精度が向上した. そこで著者らは、 安定胸痛患者に対する治療方針を決定するための、初期画像診断としてCTと侵襲的冠動脈血管造影の有用性を比較する臨床試験を実施した.
ハザード比は0.70 (95%CI 0.46~1.07、 p=0.10)で有意差なし.
ハザード比は0.26 (95%CI 0.13~0.55) で、 CT群で有意に低かった.
オッズ比は 1.17 (95%CI 0.92~1.48) で有意差なし.
これらの結果から著者らは、 胸痛により冠動脈血管造影を受けるために紹介された患者で、 閉塞性CADの検査前確率が中程度の場合、主要な有害心血管イベントのリスクは初回CT群と初回ICA群で同等であったが手技に関連する合併症の頻度は、 初回CT戦略でより低かった.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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