海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Oaknin氏らは、 転移、 治療抵抗性、 再発のいずれかを有する前治療歴なしの子宮頸癌患者を対象に、 抗VEGF抗体ベバシズマブ+プラチナ製剤を含む化学療法への抗PD-L1抗体アテゾリズマブの上乗せ効果を第Ⅲ相無作為化非盲検試験BEATccで検討した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS) が有意に延長した。 本研究はLancet誌に掲載された。
本研究のようなAdd on研究の場合に、 Control群にplaceboを使っていないのはlimitationです。 Placeboは一定の効果を認めます。
転移または再発子宮頸癌の標準的な1次治療として、 ベバシズマブ+化学療法は第III相無作為化非盲検比較試験GOG240において確立されている。 今回のBEATcc試験では、 同標準療法に免疫チェックポイント阻害薬を上乗せする効果を評価した。
測定可能な病変を有し、 前治療歴がなく、 転移 (StageIVB) /治療抵抗性/再発のいずれかを認める子宮頸癌で、 手術・放射線療法が非適応の成人患者
患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
RECISTに基づく担当医評価のPFS
ITT集団におけるOS
PFS中央値
アテゾリズマブ併用群 : 13.7ヵ月
標準療法群 : 10.4ヵ月
HR 0.62 (95%CI 0.49-0.78)、 p<0.0001
OS中央値
アテゾリズマブ併用群 : 32.1ヵ月
標準療法群 : 22.8ヵ月
HR 0.68 (95%CI 0.52-0.88)、 p=0.0046
Grade3以上の有害事象はアテゾリズマブ併用群の79%、 標準療法群の75%に認められた。 Grade1~2の下痢、 関節痛、 発熱、 発疹はアテゾリズマブ併用群で増加した。
転移、 治療抵抗性、 再発子宮頸癌に対して、 ベバシズマブ+プラチナ製剤のレジメンにアテゾリズマブを上乗せすることにより、 PFSとOSが有意に改善された。 アテゾリズマブの追加は1次治療の新たな選択肢として考慮されるべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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