【Lancet】未治療子宮頸癌、 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法でOS・PFS改善
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Lancet】未治療子宮頸癌、 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法でOS・PFS改善

【Lancet】未治療子宮頸癌、 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法でOS・PFS改善
Oaknin氏らは、 転移、 治療抵抗性、 再発のいずれかを有する前治療歴なしの子宮頸癌患者を対象に、 抗VEGF抗体ベバシズマブ+プラチナ製剤を含む化学療法への抗PD-L1抗体アテゾリズマブの上乗せ効果を第Ⅲ相無作為化非盲検試験BEATccで検討した。 その結果、 無増悪生存期間 (PFS) と全生存期間 (OS) が有意に延長した。 本研究はLancet誌に掲載された。

📘原著論文

Atezolizumab plus bevacizumab and chemotherapy for metastatic, persistent, or recurrent cervical cancer (BEATcc): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2023 Dec 1:S0140-6736(23)02405-4. PMID: 38048793

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

本研究のようなAdd on研究の場合に、 Control群にplaceboを使っていないのはlimitationです。 Placeboは一定の効果を認めます。

🔢関連コンテンツ

テセントリク点滴静注840mg

アバスチン点滴静注用100mg/4mL

タキソール注射液30mg

パラプラチン注射液150mg

背景

転移または再発子宮頸癌の標準的な1次治療として、 ベバシズマブ+化学療法は第III相無作為化非盲検比較試験GOG240において確立されている。 今回のBEATcc試験では、 同標準療法に免疫チェックポイント阻害薬を上乗せする効果を評価した。

研究デザイン

対象

測定可能な病変を有し、 前治療歴がなく、 転移 (StageIVB) /治療抵抗性/再発のいずれかを認める子宮頸癌で、 手術・放射線療法が非適応の成人患者

介入

患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。

  • アテゾリズマブ併用群 : 206例
シスプラチン50mg/m²またはカルボプラチンAUC5、 パクリタキセル175mg/m²、 ベバシズマブ15mg/kgの標準療法にアテゾリズマブ1,200mgを上乗せ (いずれも3週ごとに投与) し、 病勢進行、 許容できない毒性、 患者の離脱、 または死亡するまで継続
  • 標準療法群 : 204例

主要評価項目

RECISTに基づく担当医評価のPFS

ITT集団におけるOS

研究結果

有効性評価

PFS中央値

アテゾリズマブ併用群 : 13.7ヵ月

(95%CI 12.3-16.6ヵ月)

標準療法群 : 10.4ヵ月

(95%CI 9.7-11.7ヵ月)
HR 0.62 (95%CI 0.49-0.78)、 p<0.0001

OS中央値

アテゾリズマブ併用群 : 32.1ヵ月

(95%CI 25.3-36.8ヵ月) 

標準療法群 : 22.8ヵ月

(95%CI 20.3-28.0ヵ月)
HR 0.68 (95%CI 0.52-0.88)、 p=0.0046

安全性評価

Grade3以上の有害事象はアテゾリズマブ併用群の79%、 標準療法群の75%に認められた。 Grade1~2の下痢、 関節痛、 発熱、 発疹はアテゾリズマブ併用群で増加した。

結論

転移、 治療抵抗性、 再発子宮頸癌に対して、 ベバシズマブ+プラチナ製剤のレジメンにアテゾリズマブを上乗せすることにより、 PFSとOSが有意に改善された。 アテゾリズマブの追加は1次治療の新たな選択肢として考慮されるべきである。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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