海外ジャーナルクラブ
1年前
Spieraらは、 グルココルチコイド療法の漸減中に再発したリウマチ性多発筋痛症 (PMR) の患者を対象に、 ヒトモノクローナル抗体サリルマブの効果を第Ⅲ相臨床試験で検討。 その結果、 サリルマブは持続的寛解を達成し、 グルココルチコイド累積投与量の減少において有意な有効性を示した。 本研究はNEJM誌において発表された。
NEJMはアカデミアにおける最新スタイルを供給します。 今回の研究タイトルは、 試験デザイン名もefficacyもsafetyもタイトルに含まれていないという点でかなり斬新です。
PMR患者の半数以上がグルココルチコイド療法の漸減中に再発することが知られている。 また、 これまでの研究から、 IL-6の阻害がPMRの治療に有用な可能性が示唆されている。 ヒトモノクローナル抗体のサリルマブは、 IL-6受容体αに結合し、 IL-6経路を阻害する特性がある。
PMRの診断で、 12週間以内にグルココルチコイド療法の漸減中1回以上の再発を認め、 赤血球沈降速度が30mm/時以上またはCRP値10mg/L以上だった患者:118例
患者を1:1の割合で無作為に割り付けた。
52週時点の持続的寛解
52週時点の持続的寛解
サリルマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に高かった。
差:18%㌽、 95%CI 4-32%㌽、 p=0.02
52週時点のグルココルチコイド累積投与量
サリルマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に少なかった。
p<0.001
頻度の高い有害事象
プラセボと比較してサリルマブで最も多くみられた有害事象は以下のようなものであった。
好中球減少症
関節痛
下痢
治療に関連する投与の中止
プラセボ群よりもサリルマブ群で多く認められた。
グルココルチコイド漸減中にPMRが再発した患者において、 サリルマブは持続的寛解を達成し、 グルココルチコイド累積投与量の減少に有意な有効性を示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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