インタビュー
11日前

JR総武線「亀戸駅」東口改札から徒歩1分の「亀戸水神森クリニック」 (東京都江東区) は、 内科から外科、 肛門疾患、 小児整形外科まで幅広く診療し、 可能な範囲で必要な処置まで完結させる地域のかかりつけ医だ。大学病院で長年培った外科医としての経験を生かし、 「自分自身を信頼して来てくださる患者さんと向き合いたい」という思いのもと、 患者の多様な困りごとに対応する。開業までの経緯やクリニックの特色について聞いた。 (全2回の第1回)
2004年開院。標榜科目は内科、 消化器内科、 外科、 肛門科、 整形外科、 小児整形外科、 リハビリテーション科。在籍スタッフは10人 (医師2人、 看護師5人〈パート含む〉、 事務スタッフ3人)。内科から外科、 肛門科、 小児整形外科まで幅広い診療体制を整え、 地域医療を担う。
――医師を目指したきっかけと、 外科医を志した理由を教えてください。
「父が内科の開業医だったので、 幼い頃から『医師は人の役に立つ仕事なんだな』と思いながら育ち、 この道を選びました。外科医を志したのは、 医学生時代の病院実習がきっかけです。オペ室で初めて人間の内臓を目にしたとき、 光沢があってつやつやとした臓器を見て『なんてきれいなんだろう』と感動しました。一方、 がんがあると色が悪かったり、 癒着や浸潤があったりして、 その美しさが失われてしまう。しかし、 外科医が手術で病変を取り除くと、 みるみるきれいな状態に戻っていきます。その鮮やかな変化にやりがいを感じ、 内臓の美しさにも惹かれて、 迷うことなく外科への入局を決めました」
「入局したのは、 東邦大学医学部附属大森病院 (現 東邦大学医療センター大森病院) の第二外科 (当時) です。12年間在籍し、 胃や大腸などの消化器外科を中心に、 乳腺外科や甲状腺外科などにも携わり、 手術に明け暮れる日々を送りました。また、 心臓外科や肺外科、 脳外科、 小児外科、 麻酔科、 ICUなどでも研修し、 外科医として必要な知識と経験を幅広く積みました。ここでの経験は、 現在のクリニック診療にも生きています。その後、 父が経営する療養型病院で4年ほど副院長を務め、 2004年に亀戸水神森クリニックを開業しました」

――どのような経緯でクリニックを開業したのでしょうか。
「大学病院での診療には非常にやりがいを感じていましたが、 次第に『患者さんは大学の看板を見てやって来る』と感じるようになりました。もちろん大学病院は必要な存在ですし、 私自身も誇りを持って働いていました。ただ、 『先生に診てもらいたい』ではなく、 『大学病院だから』という理由で受診される患者さんも少なくないように感じていたんです。そこで、 自分自身を信頼して来てくださる患者さんと向き合いたいという思いが次第に強くなり、 開業を決めました。ただ、 当時はまだ開業医としてのコンセプトや、 どのようなクリニックにしたいかを決めかねていました。そのため、 いったん父の病院で働きながら構想を練り、 開業準備を進めました」
――患者さんには、 どのような傾向がありますか。
「生活習慣病の患者さんが多く、 次いで風邪や腹痛、 外傷、 ヘルニアなどの変性疾患、 小児整形外科の患者さんが多く受診します。大学病院で培った外科医としての経験を生かし、 『まずはここに相談しよう』と思っていただける、 地域に根差したクリニックを目指しています」

――小児整形外科を標榜するクリニックは珍しい印象があります。
「そうですね。妻は大学病院で長年、 小児整形外科を担当しており、 近隣の小児科クリニックや保健所などの公的機関からの紹介も多くあります。亀戸を含む都内のいわゆる城東地区だけでなく、 時には千葉県などから受診される方もいます。多いのは先天性疾患で、 先天性股関節脱臼、 先天性内反足、 先天性筋性斜頸といった、 小児整形外科の三大疾患と呼ばれる疾患です。そのほか、 外傷や捻挫、 骨折、 歩行障害に加え、 『歩き始めが遅い』『歩き方が気になる』といった相談も多く、 週に40~50人ほどが受診しています」
――外科医がクリニックで診療する強みは、 どのようなところにありますか。
「守備範囲が広く、 患者さんのさまざまな困りごとに対応できることです。外科的な処置まで自分で完結できるため、 患者さんに専門病院の受診をお願いすることなく、 クリニックで一貫して診療できます。特に肛門疾患では、 坐薬などで改善が期待できるケースもありますが、 外科的処置が必要になることも少なくありません。例えば、 肛門周囲膿瘍の切開排膿や血栓性外痔核の血栓除去は、 外来で処置が可能です。診断だけでなく、 必要に応じてその場で処置まで行えることは、 大きな強みだと考えています」
「また、 生活習慣病の診療も得意としています。大学病院では外科疾患だけでなく、 全身状態を管理しながら患者さんと向き合ってきました。現在も、 自分で診られる範囲のギリギリまで診ると決めています。例えば、 呼吸不全のない軽症の肺炎や腎盂腎炎は、 状態を見極めながら外来で数日間点滴治療を続けることで改善するケースも多くあります。特に若い方の腎盂腎炎には十分対応できます。診られるところまで自分で診つつ、 例えば腹部疾患で手術が必要と判断された場合や、内科系疾患でも入院治療が必要と判断された場合なども、機を逃さずに良いタイミングで他医師や病院を紹介できる、というのが外科医として診療を続けてきたことの恩恵と考えています。また、手術が必要だと判断したら、 そのタイミングを逃さず専門病院につなぐ。その判断を的確にできるのも、 外科医として培った経験があるからだと思います。もちろん無理はしません。ただ、 自分で診られる患者さんは、 責任を持って自分で診たいんです」


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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