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2ヶ月前

Beardらは、 変形性膝関節症患者に対する全置換術 (TKR) と部分置換術 (PKR) を比較したTOPKAT試験の、 10年追跡データを解析した。 その結果、 10年時点のOxford Knee Score (OKS) に差は認められず、 合併症、 再手術、 再置換率にも大きな差はなかった。 一方、 PKRはTKRと比較すると、 質調整生存年 [QALY] の平均差が0.322 (95%CI -0.069~0.712) で健康上メリットがあるといえ、 医療費も安価であったため費用対効果に優れていた。 試験結果はLancet Rheumatol誌に発表された。
10年間という追跡期間は、 人工関節置換術に関する無作為化比較試験において大きな成果といえます。
TOPKAT試験は、 内側コンパートメントに限局した末期変形性膝関節症の治療における、 人工膝関節全置換術 (TKR) と部分置換術 (PKR) との差異を評価することを目的とした。
人工関節置換術においては耐久性が重要な課題であるため、 長期有効性を十分に評価するには追跡期間の延長が必要であった。 そこで本解析では、 TOPKAT試験の10年追跡結果について報告する。
TOPKATは、 内側コンパートメント膝OA患者を英国国民保健サービス (NHS) の27施設から登録し、 PKR群とTKR群に1 : 1で無作為化した。 外科医、 患者、 評価者のいずれも非盲検であったが、 試験中にいずれかの手技が特別に扱われることはなかった。
主要な長期評価項目は、 intention-to-treat集団における10年時点のOxford Knee Score (OKS) とした。 加えて、 費用対効果も評価した。
528例が無作為化された (PKR : 264例、 TKR : 264例)。
平均OKSに両群間で差は認められず (平均差0.27、 95%CI -1.59~2.13)、 10年間の曲線下面積 (AUC) 解析でも結果は同様であった。
10年時点の合併症、 再手術、 再置換率にも、 PKRとTKRで大きな差はなかった (治療実施別では、 合併症 : 22% vs 27%、 再手術 : 9% vs 9%、 再置換 : 6% vs 4%)。 intention-to-treat解析でも同様に差はなかった。
PKRはTKRよりも健康上のメリットが大きく医療費も安価であり、 費用対効果に優れていた。
著者らは、 「TKRとPKRを比較した10年成績において、 臨床転帰、 再手術率、 再置換率は同程度であったが、 費用対効果ではPKRが優れていた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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