海外ジャーナルクラブ
23日前
Yanらは、 後方循環系脳梗塞の患者を対象に、 発症から4.5~24時間後のアルテプラーゼ投与の有効性と安全性を無作為化比較試験で検討した。 その結果、 標準治療に比べて90日後の機能的自立の割合が高いことが明らかとなった。 試験結果はNEJM誌に発表された。
Abstractと本文の結論の2回のみ、 "Chinese patients"という表現がなされています。
発症後4.5時間以内の脳梗塞、 reteplase vs rt-PA
後方循環系脳梗塞発症から4.5~24時間後の静脈血栓溶解 (rt-PA) 療法であるアルテプラーゼの有効性と安全性については十分なエビデンスがなかった。
中国で実施されたこの試験の対象は、 後方循環系脳梗塞を発症し、 CT上、 早期で広範な低吸収域がなく、 血栓除去術の予定がない患者であった。
患者は、 アルテプラーゼを0.9mg/kg体重 (最大90mg) で投与するアルテプラーゼ群と標準的な内科治療を実施する標準治療群に割り付けられた。
主要評価項目は、 90日後の機能的自立 (modified Rankin Scale 0~2) とした。 重要な安全性評価項目は、 症候性頭蓋内出血、 死亡とした。
登録患者は計234例で、 アルテプラーゼ群 (117例) と標準治療群 (117例) に割り付けられた。 NIHSSスコア中央値は3 (IQR 2~6) であった。
90日後に機能的自立を達成した患者の割合は、 アルテプラーゼ群が89.6%であり、 標準治療群の72.6%に比べて高かった (補正RR 1.16、 95%CI 1.03-1.30、 p=0.01)。
36時間以内の症候性頭蓋内出血発生率は、 アルテプラーゼ群が1.7%、 標準治療群が0.9%であった。 90日後の死亡率は、 アルテプラーゼ群が5.2%、 標準治療群が8.5%であった。
著者らは 「主に軽度の後方循環系脳梗塞を発症し、 血栓除去術を受けなかった中国人患者で、 脳梗塞発症後4.5~24時間後にアルテプラーゼを投与した場合、 90日後の機能的自立達成の割合が標準治療を実施した場合よりも高かった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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