海外ジャーナルクラブ
1年前
Wangらは、 70歳以上の食道扁平上皮癌患者を対象に、 化学放射線療法の有効性を多施設共同第Ⅲ相無作為化臨床試験で検討。 その結果、 放射線療法 (SIB-RT) とS-1の併用療法(CRTCT群)はSIB-RT単独(RT群)と比較して、 治療関連の毒性作用を追加することなく生存転帰を改善した。 本研究はJAMA Netw Open誌において発表された。
COVID-19の影響とのことですが、 CRTCT群の25%が化学療法を完遂できなかったのは大きなlimitationとなります。
食道癌 (扁平上皮癌/頚部・胸部食道癌-腺癌) のTNM分類(規約版)
放射線療法と同時併用する動注化学療法は、 手術不能な食道癌患者に対する標準治療である。 しかし、 患者は加齢や合併症により化学療法への忍容性が低下する傾向にある。 QOLを低下させることなく生存率を向上させるより良い治療法を見つけることが不可欠である。
手術不能で局所進行し、 臨床病期II~IV期の食道扁平上皮癌患者:330例
患者を以下の群に無作為に割り付け
intent-to-treat集団の全生存期間 (OS)
無増悪生存期間 (PFS) と毒性プロファイル
CRTCT群はRT群と比較して1年後 (72.2% vs 62.3%)、 3年後 (46.2% vs 33.9%) のOSが改善した。
CRTCT群はRT群と比較して1年後 (60.8% vs 49.3%)、 3年後 (37.3% vs 27.9%) のPFSが改善した。
グレード3以上の治療関連毒性
グレード5の毒性作用
SIB-RTとS-1化学療法の併用は、 SIB-RT単独と比較して、 治療関連の毒性を追加することなく生存転帰を改善したことから、 70歳以上の手術不能食道扁平上皮癌患者に対する代替治療選択肢として考慮されるべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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