海外ジャーナルクラブ
1年前
Arjona-Sánchezらは、 局所進行原発性大腸癌の患者を対象に、 術中腹腔内温熱化学療法 (HIPEC) の有効性と安全性を第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験で検討。 その結果、 局所進行原発性大腸癌に対する外科的切除にHIPECを追加することで、 手術単独と比較して3年間の局所制御 (LC) 率が改善したことが明らかとなった。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
本 RCTでは、 事前のサンプルサイズ設定の際の予測LC率が82% vs. 64%で片群100例という非常にシンプルなデザインでした。 実際の結果が98% vs. 88%, p=0.03となっており、 対照群の高いLC率に対してもしっかりと有意差を出せたことは研究グループの持ち合わせた運のようなものも感じます。
またabstractの結論にはThis approach should be considered…と書かれていますが、 テキストの結論にはこのような強い記載はありません。 是非とも両方の結論を読み比べてみてください、 研究全体の真の理解が深まります。
局所進行大腸癌 (T4ステージ) 患者における腹膜転移は、 外科的切除から3年後の再発率が約25%と推定され、 予後不良と関連する。 このような患者に対する予防的なHIPECの臨床的有用性については、 議論がある。
18~75歳の局所進行原発性大腸癌 (cT4N02M0) の患者。
患者を以下の群に1:1でランダムに割り付け。
3年LC率
無病生存率 (DFS)、 全生存率 (OS)、 罹患率、 有害事象発生率
pT4病変のサブグループでは、 治験薬治療後の3年LC率が顕著に改善した。
合併症の罹患率や有害事象に群間差は認められなかった。
局所進行大腸癌に対する外科的切除にHIPECを追加することで、 手術単独と比較して3年LC率が改善した。 このアプローチは、 局所進行大腸癌患者に対して考慮されるべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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