寄稿ライター
1年前
医師のキャリアパスの選択肢として、 産業医が注目を集めています。 オンコールがなく、 ワークライフバランスを保てるとみられているからです。 連載 「医師のキャリア・考」 の3回目は、 産業医の業務内容や待遇、 働き方などについて解説します。
産業医は、 労働者の心身の健康を保持・促進することを目的に、医学的な立場から健康管理や衛生管理について指導やアドバイスをする医師です。その選任は労働者安全衛生法により定められており、 事業場の規模に応じて人数も決まっています。
従業員数が50人~999人の事業場には 「嘱託産業医」 が、 1000人を超える事業場には 「専属産業医」 が必要です。 特に大規模な3000人以上の事業場では 「専属産業医」 を2名以上置くことが必要です。 現在、 産業医の大半は 「嘱託産業医」 です。
産業医の業務は労働安全衛生規則第14条第1項によって定められており、 主な内容は次のとおりです。
専属産業医は事業場でのフルタイム勤務です。 嘱託産業医は依頼された日だけ事業場で働き、 それ以外は勤務医や開業医として働く非常勤です。
専属産業医の年収は勤務先の企業の規模や経験によりますが、週4~5日勤務で年収700万~1600万円が相場です。 概ね勤務医と同等といえます。
一方、 嘱託産業医の収入は1回あたり30分2万円~1時間3万2000円程度です。
産業医として働くには、 医師免許のほかに法定の要件を満たす必要があります。 日本医師会や産業医科大の研修を修了するのが一般的な進路です。
2015年の法改正で、 従業員50人以上の事業所でストレスチェックが義務化されるなど、 産業医のニーズは高くなってきています。 ワークライフバランスを重視したい医師にとって、 産業医は魅力的な選択肢となり得ます。
一方、 産業医の求人は決して多くはなく、 特に大都市圏に集中しています。 医師専門のキャリアアドバイザーに相談し、 情報を収集しておくことも重要です。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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