【EORTC30924試験】膀胱癌に対するddMVAC
著者

HOKUTO編集部

1年前

【EORTC30924試験】膀胱癌に対するddMVAC

【EORTC30924試験】膀胱癌に対するddMVAC
局所進行性または転移性尿路上皮癌患者において、 2週毎にドキソルビシン (ADM) 、 シスプラチン (CDDP) 、 メトトレキサート (MTX) 、 ビンブラスチン (VLB) の投与を行うddMVAC療法の効果を、 4週毎投与の古典的MVAC群を対照に検証した第Ⅲ相比較試験EORTC30924の結果より、 全生存期間 (OS) は差は認められないが、 無増悪生存期間 (PFS) と奏効率 (ORR) に対する有効性が示された。

原著論文

▼解析結果

Randomized phase III trial of high-dose-intensity methotrexate, vinblastine, doxorubicin, and cisplatin (MVAC) chemotherapy and recombinant human granulocyte colony-stimulating factor versus classic MVAC in advanced urothelial tract tumors: European Organization for Research and Treatment of Cancer Protocol no. 30924. J Clin Oncol. 2001 May 15;19(10):2638-46. PMID: 11352955

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EORTC30924試験の概要

対象

局所進行性または転移性尿路上皮癌患者

方法

263例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • ddMVAC群 (134例)
MTX30mg/m²をday1に投与、 VLB3mg/m²とADM30mg/m²とCDDP70mg/m²をday2に投与
2週間毎に繰り返す。
day4-10の7日間、 G-CSF240μgの投与を行う。必要な際はG-CSF投与は最大合計14日間連続投与された。
  • 古典的MVAC群 (129例)
MTX30mg/m²をday1、 5、 22に投与、 VLB3mg/m²をday2、 15、 22に投与、 ADM30mg/m²とCDDP70mg/m²をday2に投与。 4週間毎に繰り返す。

評価項目

  • 主要評価項目:OS
  • 副次評価項目:無増悪生存期間 (PFS) 、 無増悪期間 (TTP)  、 奏効率 (ORR) 、 安全性

EORTC30924試験の結果

患者背景

  • 両群で同様であった。
  • 治療を行ったサイクル数の中央値は、 ddMVAC群は6サイクル、 古典的MVAC群は4サイクルであった。

OS中央値

  • ddMVAC群:15.5ヵ月
  • 古典的MVAC群:14.1ヵ月
HR 0.80 (95%CI 0.60-1.06)、 p=0.122

OS率 (2年時) 

  • ddMVAC群:35.3%
(95%CI 26.8-43.8%)
  • 古典的MVAC群:25.4%
(95%CI 17.5-33.4%)

PFS中央値

  • ddMVAC群:9.1ヵ月
  • 古典的MVAC群:8.2ヵ月
HR 0.75 (95%CI 0.58-0.98)、 p=0.037

PFS率 (2年) 

  • ddMVAC群:24.7%
(95%CI 17.1-32.3%)
  • 古典的MVAC群:11.6%
(95%CI 5.9-17.4%)

TTP中央値

  • ddMVAC群:11.1ヵ月
  • 古典的MVAC群:9.6ヵ月
HR 0.79 (95%CI 0.59-1.06)、 p=0.114

ORR

  • ddMVAC群:62%
(95%CI 54-70%)
  • 古典的MVAC群:50%
(95%CI 42-59%)
p=0.06

有害事象 (AE)

  • Grade3-4の白血球減少は、 ddMVAC群で20%、 古典的MVAC群で62%であった。
  • 発熱性好中球減少症は、 ddMVAC群で10%、 古典的MVAC群で26% (p<0.001) であった。
  • クレアチニンへの毒性は、 両群間に差は認めなかった (p=0.815) 。

著者らの結論

  • ddMVAC群では、 短期間でより多くのサイクルを投与することが可能であり、 G-CSFを投与することで古典的MVAC群より毒性は少なかった。
  • 局所進行性または転移性尿路上皮癌患者において、 ddMVAC群は古典的MVAC群と比較し、 OSに差は認められなかったものの、 PFSを延長させ、 ORRを改善させることが示唆された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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