海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Mahéらは、 静脈血栓塞栓症 (VTE) を併発した活動性癌患者を対象に、 経口選択的直接作用型FXa阻害薬アピキサバン減量投与の長期有効性および安全性を二重盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 VTEの再発予防について、 減量投与が通常量投与に対して非劣性であることが検証され、 減量投与では出血リスクが低下したことが明らかになった。 試験結果はN Engl J Med誌に発表された。
人種や民族ごとの治療効果に関するデータがないこと、 また12ヵ月間の抗凝固療法の効果と安全性のみを評価しておりそれ以上の期間については不明である点がlimitationとなります。
静脈血栓塞栓症 (VTE) を併発した活動性癌患者で、 VTEの再発予防および出血抑制に用いる経口抗凝固薬の長期減量投与の臨床的有用性は明らかになっていない。
そこで、 アピキサバン減量投与の長期有効性および安全性を二重盲検無作為化比較試験で検討した。
6ヵ月間以上の抗凝固療法を完了し、 近位深部静脈血栓症または肺塞栓症を併発した活動性癌患者1,766例が以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は盲検中枢判定による致命性、 非致命性を問わない再発性VTEとし、 非劣性解析 で評価した (非劣性マージン : サブハザード比 [SHR] の95%CI上限値 2.00)。
主な副次評価項目は、 優越性解析で評価した臨床的に重要な出血であった。
治療期間中央値は11.8ヵ月 (四分位範囲 8.3-12.1ヵ月) であった。
主要評価項目である再発性VTEは、 減量投与群の18例 (累積発生率2.1%)、 通常量投与群の24例 (累積発生率2.8%) に発現した (調整SHR 0.76 [95%CI 0.41-1.41]、 非劣性のp=0.001)。
主な副次評価項目である臨床的に重要な出血は、 減量投与群の12.1%、 通常量投与群の15.6%に発現した (調整SHR 0.75 [95%CI 0.58-0.97]、 p=0.03)。
死亡率は、 減量投与群が17.7%、 通常量投与群が19.6%であった (調整HR 0.96 [95%CI 0.86-1.06] )。
著者らは 「活動性癌患者のVTE予防で、 アピキサバンの長期減量投与の通常量投与に対する非劣性が検証された。 また、 減量投与は通常量投与と比べて臨床的に重要な出血性合併症の発現率が低かった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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