海外ジャーナルクラブ
2年前
Sternerらは, 外科的減圧術を要する外傷性脊髄損傷患者84名を対象に, 早期除圧術と早期搬送が神経学的転帰に与える影響を後ろ向きコホート研究で検討. その結果, 12時間以内の除圧術と早期搬送 (<6時間) が神経学的転帰の有意な改善と関連することが明らかとなった. 本研究はSpine誌において発表された.
Spine (Phila Pa 1976). 2022 Jan 1;47(1):59-66.PMID: 34882648
脊髄損傷=介入なしではなく, 本研究を含めた昨今のさまざまな報告から重傷ほどより早期の除圧術を行えば, 転帰改善の可能性があることは間違いなさそうですね.
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外傷性脊髄損傷は, 永久的な機能の障害や喪失につながりうる. ただし, 外傷性脊髄損傷患者における外科的除圧術の最適な時期については論争が続いている.
外科的減圧術を要する外傷性脊損患者84名
患者を除圧術施行まで0~12時間, 12時間超のサブグループにグループ分けし, 入院から退院までのAISグレードの変化を測定. 患者を搬送時間6時間未満または6時間超の集団にグループ分けし, 搬送時間がAISグレードに与える影響を評価した.
💡 除圧時間のサブグループ間で, 年齢, 損傷の重症度, AISグレードなどの交絡因子に有意差は認められなかった (P > 0.05).
💡12時間以内に減圧術を受けた患者は, AISグレードの改善が有意に大きかった (P<0.0001).
💡6時間未満の早期搬送患者は, AIS分類の改善が有意に大きかった (P=0.004).
本研究は, 12時間以内の除圧術と6時間未満の早期搬送時間が, 神経学的転帰の有意な改善と関連することを示唆している.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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