診療指針
4ヶ月前

スペイン臨床腫瘍学会 (SEOM) とスペイン泌尿器腫瘍グループ (SOGUG) が、 尿路上皮癌に関する最新の診療ガイドライン 「SEOM-SOGUG 尿路上皮癌臨床ガイドライン (2025年版)」 を発表した。 同ガイドラインは、 すべての病期における膀胱癌を含む尿路上皮癌の診断、 病期分類、 および管理に関するエビデンスに基づく推奨事項を提示するものである。 今回の2025年版は、 2022年の前回バージョン以降に発表された臨床試験の結果を反映し、 内容を更新したものである。
推奨はLevels of evidenceでIからVまで、 Grades of recommendationでAからEで推奨度合い (strongly recommend からnever recommended)まで規定されています。
2025年版では、 WHO 2022分類を採用し、 これまで 「variant」 と呼ばれていた病理型は、 「subtype (亜型) 」 と表現が改められた。 また新しい亜型として 「large nested carcinoma」 と 「tubular carcinoma」 が追加された。
NIAGARA試験の結果に基づき、 周術期デュルバルマブ+ゲムシタビン+シスプラチン (GC) レジメンが、 シスプラチン適格例において標準治療に追加された (推奨度A)。
術後療法に関しては、 CheckMate 274試験、 AMBASSADOR試験の結果から、 標準治療としてニボルマブ、 代替療法としてペムブロリズマブが推奨された。 また術前療法におけるddMVACレジメンとGCレジメンの比較では、 両レジメンが同等であることが確認された。
1次治療の推奨が大幅に刷新された。 EV-302/KEYNOTE-A39試験の結果に基づき、 シスプラチン適格/不適格に関わらず、 エンホルツマブ ベドチン (EV) +ペムブロリズマブが第一選択となった (推奨度IA)。 またCheckMate 901試験の結果から、 ニボルマブ+GCは代替選択肢として追加された。
THOR試験の結果を踏まえ、 プラチナ製剤および免疫チェックポイント阻害薬後の標準2次治療として、 エルダフィチニブが位置付けられた (推奨度IA)。
欧州泌尿器科学会 (EAU) の2025版リスク分類を採用し、 腫瘍数や腫瘍最大径、 再発歴などを基に 「低リスク」 「中間リスク」 「高リスク」 「超高リスク (very high risk) 」 の4群に層別化した。 このうち 「very high risk」 群は、 2025年版で新たに定義されたカテゴリーである。
2025年版では、 BCG不応の定義として、 6か月以内の再発 (Ta/T1 high gradeまたはCIS) が明記された。 BCG不応例には、 KEYNOTE-057試験の結果 (奏効率41%、 CR率19%) を踏まえ、 根治的膀胱全摘 (RC) を原則推奨した上で、 手術不適または拒否例ではペムブロリズマブ投与を代替選択肢として考慮すると記載された (EMA未承認のため、 臨床試験または個別判断での使用が望ましい)。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。