海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Bronfortらは、 慢性化リスクの高い急性・亜急性腰痛を有する成人患者を対象として、 脊椎マニピュレーション*および臨床医支援による生物心理社会的セルフマネジメントの有効性について、 標準的な医療ケア (SMC) を対照に第Ⅲ相無作為化比較試験PACBACKで評価した。 その結果、 臨床医支援による生物心理社会的セルフマネジメントは、 SMCと比べて腰痛機能障害の有意かつ小幅な軽減を示した。一方で、 疼痛強度では有意差が認められなかった。 また、 脊椎マニピュレーション単独では、 いずれのアウトカムにおいても有意差は示されなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。
患者および臨床医は治療割り付けについて盲検化されておらず、 有意な結果の多くは患者報告アウトカムという主観的指標に限られていた点はlimitatioです。
腰痛は、 相互に関連する身体的、 心理的、 社会的要因の影響を受けるが、 多くの治療は症状の軽減に重点を置き、 患者の根本的な生物心理社会的ニーズに対応していない。
そこで本研究では、 脊椎マニピュレーションおよび臨床医支援による生物心理社会的セルフマネジメントの有効性を、 ガイドラインに基づくSMCと比較評価した。
ミネソタ大学およびピッツバーグ大学の3つの研究クリニックで実施された2×2要因デザインの無作為化比較試験PACBACKにおいて、 STarT Backツールに基づき慢性化リスクが中等度から高度と判定された急性・亜急性腰痛を有する成人患者1,000例 (平均年齢 47歳、 女性58%) が以下の4群に無作為に割り付けられた。
脊椎マニピュレーションと支援付きセルフマネジメントは理学療法士およびカイロプラクターが実施した。 介入期間は最大8週間とした。
追跡期間12ヵ月における主要評価項目は月次腰痛機能障害 (Roland-Morris Disability Questionnaire : RMDQ) および週次疼痛強度 (numerical rating scale : NRS) の平均値であった。 副次的解析では、 主要評価項目が50%以上改善した患者の割合を検討した。
対象患者1,000例のうち、 93%が試験を完了した。
4群間の差異を検証するオムニバス検定において、 主要評価項目である12ヵ月間の平均腰痛機能障害 (RMDQスコア) は以下のとおりであり、 有意差が認められた (p=0.001)。
12ヵ月間の平均RMDQスコアは、 SMC群と比べて支援付きセルフマネジメント群 (平均差 -1.2 [95%CI -1.9--0.5]) および併用群 (平均差 -1.1 [95%CI -1.9--0.3]) で有意に軽減したものの、 脊椎マニピュレーション群 (平均差 -0.4 [95%CI -1.2--0.4]) では有意差が認められなかった。
一方で、 週次疼痛強度 (NRS) は以下のとおりであり、 4群間で有意差が認められず (p=0.16)、 点推定値は-0.2から0の範囲であった。
12ヵ月間の平均RMDQスコアが50%以上軽減した患者の割合は、 以下のとおりであった。
著者らは 「慢性化リスクの高い急性・亜急性腰痛を有する患者において、 臨床医支援による生物心理社会的セルフマネジメントは、 SMCと比べて腰痛機能障害の有意かつ小幅な軽減を示した一方で、 疼痛強度では有意差が認められなかった。 また、 脊椎マニピュレーション単独では、 いずれのアウトカムにおいても有意差は示されなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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