化学療法レジメン
4日前
「HOKUTO婦人科レジメン」はお使いになりましたか?監修は、 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授の勝俣 範之先生にご担当いただきました。 ぜひご活用下さい。
婦人科がんに対する薬物療法は、 古くは殺細胞性薬剤に始まり、 近年では、 分子標的薬としてベバシズマブ、 PARP阻害剤、 免疫チェックポイント阻害剤と年々進歩してきています。 また、 今後は、 ADC (抗体薬物複合体) といって、 新たな薬物療法も承認、 使われるようになります。 ただ、 薬物療法が進歩してきたとはいえ、 がん薬物療法全般的に言えることは、 副作用が一般薬に比べると圧倒的に多いことです。
がん薬物療法をうまく使うためには、 副作用をうまくコントロールしていくことは必須であると思います。 婦人科がん薬物療法においても、 まだ殺細胞性薬剤抜きには、 婦人科がん薬物療法は成立しないといった状況です。 副作用への対応も年々研究が進んでおり、 新たな対応策なども生まれてきていますので、 がん薬物療法を勉強する際には、 副作用対策も併行して学んでほしいと思います。
また、 免疫チェックポイント阻害剤を使用する際には、 免疫関連有害事象は多彩な症状が出るため、 チーム医療として対応をしていただきたいと思います。 婦人科がん薬物療法のレジメンも色々なレジメンがありますが、 使用の際に大切なことは、 できるだけオリジナル論文を読んでいただきたいと思います。 オリジナル論文でエンドポイントがどうであったか、 結果は全生存期間 (OS) を延長させるものであったのか、 副作用はどうであったのか、 臨床試験の結果を目の前の患者に適応できるものであるかどうか、 などについて、 ご自身で確認をしていただきたいと思います。
📅TC + Durvalumab ± Orapalib New
📅dose-dense TC (Weekly PTX+CBDCA)
📅dose-dense TC (Weekly PTX+CBDCA)
📅Liposomal Doxorubicin (PLD) + BV
📅AI (Doxorubicin + Ifosfamide) New
📅Doxorubicin New
📅Trabectedin New
📅DG (DTX+GEM) New
【催吐性】 中等度催吐性
- パラプラチン® 添付文書³⁾
- DEX 9.9mg+生食 100ml
- NK₁阻害剤+5HT₃拮抗剤+生食 50ml (30分)
- GEM 1000mg/m²+5%ブ 250mL (30分)
- CBDCA AUC4+生食 250mL (30-60分)
AGO-OVAR、 NCIC CTG、 EORTC GCG共同の第Ⅲ相試験の結果より引用⁴⁾
プラチナに感受性のある再発卵巣癌患者356例と対象にGC群 vs カルボプラチン単剤療法
【有効性】GC群
- ORR 47.2%
- mTTP 8.6ヵ月
- mOS 18.0ヵ月
【安全性】主な有害事象 (カッコ内 Grade3~4)
- 好中球数減少 90.9% (70.3%)
- 貧血 87.4% (27.4%)
・・・・以下略
GC (CBDCA+GEM) 療法は、 再発プラチナ感受性卵巣がんに対して、 TC療法と並んで治療オプションの一つと思います。 TC療法と直接比較した臨床試験はありませんが、 GC療法の利点としては、 脱毛が少ないこと、 末梢神経障害が少ない点になります。 ただ、 好中球減少や血小板減少は多いので注意が必要です。 初回治療でTC療法を受けていて、 末梢神経障害がかなり残っている患者さんには、 よい適応と思われます。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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