【PROTEUS】高リスク前立腺癌、 周術期APA+ADTでpCR/MRD率10倍・MFS改善
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HOKUTO編集部

1ヶ月前

【PROTEUS】高リスク前立腺癌、 周術期APA+ADTでpCR/MRD率10倍・MFS改善

【PROTEUS】高リスク前立腺癌、 周術期APA+ADTでpCR/MRD率10倍・MFS改善
根治的前立腺全摘除術 (RP) の適応となる高リスクの限局性または局所進行性前立腺癌 (HR LPC/LAPC) 患者を対象に、 周術期アパルタミド (APA) +アンドロゲン除去療法 (ADT) とプラセボ (PBO) +ADTを比較した国際多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験PROTEUSの最終解析で、 2つの主要評価項目である病理学的完全奏効/微小残存病変 (pCR/MRD) と無転移生存期間 (MFS) がいずれも有意に改善した。 米・Dana-Farber Cancer CenterのMary-Ellen Taplin氏が発表した。同試験の詳細は、 N Engl J Med.誌2026年5月31日オンライン版¹⁾に掲載された。

背景

P2でAPAは術前療法として良好な活性

HR LPC/LAPC患者では、 RP後に約50%の患者で再発が認められる。

転移の発現は予後不良と関連しており、 転移発現から死亡までの期間中央値は3~5年とされる。

APAは、 転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC) と非転移性去勢抵抗性前立腺癌 (nmCRPC) において有効であり、 第Ⅱ相試験では術前療法として良好な活性を示した。

そこで第Ⅲ相PROTEUS試験では、 RPの周術期にAPA+ADTを1年間追加することで、 病理学的奏効および長期転帰が改善するかを評価した。

試験の概要

日本を含め18ヵ国184施設で実施

日本を含めた18ヵ国184施設で実施された国際多施設共同第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験PROTEUSにおいて、 新規診断のHR LPC/LAPC患者 (組織診および前立腺特異抗原 [PSA]に基づき判定、 従来画像検査でcN0/cN1) 2,109例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • APA+ADT群 : 1,057例
術前療法としてAPA (240mgを1日1回) +ADTを6ヵ月投与→術前2週間休薬→骨盤リンパ節郭清を伴うRP→術後4週間休薬→術後療法としてAPA (240mgを1日1回) +ADTを6ヵ月投与
  • プラセボ+ADT群 : 1,052例
同スケジュールでプラセボ+ADTを投与

術後の補助/救済放射線療法は担当医師の裁量とされた。

主要評価項目はpCR/MRDとMFSの2つ

2つの主要評価項目は、 pCR/MRD (ypT0または≤ypT2、 腫瘍径≤5mm) および従来画像またはPSMA PET画像に基づくMFSであり、 いずれも盲検下独立中央判定 (BICR) により評価された。 副次評価項目は無イベント生存期間 (EFS)、 初回後続治療までの期間 (TTST1)、 遠隔転移までの期間 (TTDM)、 安全性などであった。

今回は同試験の最終解析結果が報告された。データカットオフは2026年2月2日、 追跡期間中央値は61.7ヵ月であった。

試験の結果

患者背景は両群間で同様

ベースラインにおける対象患者の年齢中央値はAPA+ADT群が66歳 (四分位範囲 [IQR] 62-71歳)、 プラセボ+ADT群が66歳 (IQR 61-70歳)、 PSA中央値がそれぞれ14.4ng/mL (IQR 8.3-29.2ng/mL)、 15.1ng/mL (IQR 8.1-33.7ng/mL)、初回診断時のGleason score≧8が95.7%、 95.8%と、 患者背景は両群間で同様であった。

pCR/MRD率は8.9% vs 1.0%で有意に改善、 ORは10.17

pCR/MRD率は、 APA+ADT群が8.9%であり、 プラセボ+ADT群の1.0%と比べて有意な改善が認められた (OR 10.17 [95%CI 5.27-19.64]、 p<0.0001)。

探索的評価項目である残存腫瘍量 (RCB) に基づくMRD (≦ypT2、 N0、 ≦0.25cm³) もこれを裏付け、それぞれ30.6%、 11.7%であった (OR 3.36 [95%CI 2.67-4.23]、 名目上のp<0.0001)。

MFSは有意に改善、 死亡・遠隔転移リスクを20%低減

BICRによるMFS中央値は、 両群ともに未到達であり、 APA+ADT群で有意な改善が認められた (HR 0.80 [95%CI 0.67-0.96]、 p=0.0169)。

5年MFS率は、 APA+ADT群が78.2%、 プラセボ+ADT群が73.5%であった。

担当医評価によるMFSも一貫した結果であった (HR 0.74、 [95%CI 0.62-0.87]、 名目上のp=0.0004)。

副次評価項目のEFS・TTST1・TTDMもすべて有意に改善

副次評価項目もすべてAPA+ADT群で有意な改善が認められた。

EFS中央値はAPA+ADT群が57.1ヵ月、 プラセボ+ADT群が38.4ヵ月 (HR 0.71 [95%CI 0.63-0.80]、 p<0.0001)、 TTST1中央値はそれぞれ74.2ヵ月、 41.5ヵ月 (HR 0.65 [95%CI 0.57-0.73]、 p<0.0001)、 TTDMは両群いずれも未到達 (HR 0.68 [95%CI 0.55-0.83]、 p=0.0002) であった。

安全性プロファイルは既報と一致

安全性プロファイルは既報と一致していた。Grade3/4の治療中に発現した有害事象 (TEAE) はAPA+ADT群が39.6%、 プラセボ+ADT群が31.0%、 治療中止に至ったTEAEはそれぞれ7.4%、 2.7%であった。

結論

APA+ADTとRPの併用をHR LPC/LAPC患者の新たな標準治療として支持

Taplin氏は、 「APA+ADTは高リスクの限局性または局所進行性前立腺癌患者において根治的前立腺全摘除術の根治的治療成功率を向上させ、 pCR/MRDのORを10倍高め、 遠隔転移または死亡のリスクを20%低減した。 また、 すべての副次評価項目もアパルタミド+ADT群で有意に改善した。 これらの結果から、 APA+ADTとRPの併用をHR LPC/LAPC患者の新たな標準治療として支持する」 と報告した。

出典

1) N Engl J Med. 2026年5月31日オンライン版


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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