海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Blakelyらは、 EGFR遺伝子変異陽性のI~IIIA期非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 第3世代EGFR阻害薬オシメルチニブによる術前療法の安全性および有効性について第II相多施設共同試験で検討した。 その結果、 術前オシメルチニブ治療を行っても腫瘍病理学的奏効 (MPR) は改善を示さなかった。 本研究はJ Clin Oncolにて発表された。
27症例での検討ですが、 最低限の安全性をクリアしたので更なる研究成果に期待がもたれます。
切除可能なI~IIIA期のEGFR遺伝子変異NSCLCに対する、 術前療法としてのオシメルチニブの安全性および有効性に関する研究データは十分ではない。
外科的に切除可能なEGFR遺伝子変異 (L858Rまたはexon 19欠失) を有するI~IIIA期NSCLC患者 : 27例
外科的切除前にオシメルチニブ80mgを1日1回、 1サイクル28日として最大2サイクルまで経口投与された。
主要評価項目は主要病理学的奏効 (MPR) 率、 副次評価項目は安全性ならびに有効性とした。
また、 探索的評価項目として治療前後の腫瘍変異プロファイリングを設定した。
MPR率は14.8% (95%CI 4.2-33.7%) で、主要評価項目を達成できなかった。 また、 病理学的完全奏効(pCR) は認められなかった。
なお、 ORRは52%、 DFS中央値は40.9ヵ月だった。
重篤な治療関連有害事象の発現率は3.7% (1例) に認められた。
また、 有害事象のために手術が延期または中止された患者はいなかった。
併発した腫瘍ゲノム変化で最も多かったのはTP53 (42%) およびRBM10 (21%) だった。
著者らは 「外科的に切除可能なEGFR遺伝子変異を有するI~IIIA期NSCLCに対する術前オシメルチニブは、 主要評価項目であるMPR率を達成しなかった。 一方で、予期せぬ有害事象や手術の遅れ、 中止も引き起こさなかった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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