海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Nguyenらは、 スウェーデンにおいて、 全身性エリテマトーデス (SLE) を有する妊婦に対する妊娠初期のヒドロキシクロロキン使用と子癇前症および早産発生との関連性を人口ベースのコホート研究で検討した。 その結果、 妊娠初期のヒドロキシクロロキン使用は子癇前症リスク低下と関連していた一方で、 早産との関連は不明確であった。 本研究はLancet Rheumatol誌において発表された。
Lancetシリーズ特有のImplicationsにおいて、 「今回の結果は、 妊娠中のSLE患者に対するヒドロキシクロロキンの継続使用を支持する根拠となる得る」 と言及されています。
SLEを有する妊婦は、 子癇前症および早産のリスクが高い。 妊娠中における主力治療薬である免疫調整薬ヒドロキシクロロキンは、 現在、 子癇前症の予防に有望な薬剤である。
そこで本研究では、 SLEを有する妊婦に対するヒドロキシクロロキンと子癇前症および早産との関連性をスウェーデンの人口ベースのコホート研究で検討した。
2007年1月1日~22年12月31日にスウェーデンの二次または三次医療センターでSLEと診断され、 単胎妊娠959例で分娩 (出生児および死産児) に至った全患者685例を対象とし、 ヒドロキシクロロキン使用は、 妊娠3ヵ月前から妊娠初期終了までに2回以上の調剤があった場合と定義した。
主要評価項目は、 子癇前症 (妊娠20週0日から産後6週までに診断) および早産 (妊娠37週0日未満の分娩) であった。
測定された交絡因子 (母体喫煙、 BMI、 生殖特性、 妊娠前高血圧、 グルココルチコイド使用など) で調整した逆確率重み付け法と修正ポアソンモデルを用いて、 リスク比 (RR) と95%CIを推定した。
959例の単胎妊娠のうち、 404例 (42%) が初産妊娠、 555例 (58%) が経産妊娠であり、 母体の平均年齢は32歳 (標準偏差 4.7歳) であった。
子癇前症は、 未産婦群においてヒドロキシクロロキン曝露妊娠 (172例) の11%、 非曝露妊娠 (232例) の13%で認められ、 経産婦群ではヒドロキシクロロキン曝露妊娠 (222例) の5%、 非曝露妊娠 (333例) の6%で認められた。
ヒドロキシクロロキン曝露群と非曝露群を比較したSLE妊娠における子癇前症の調整RRは、 全体では0.49 (95%CI 0.31-0.79)、 未産婦群では0.59 (95%CI 0.33-1.08)、 経産婦群では0.44 (95%CI 0.22-0.89) であった。
早産は、 未産婦群においてヒドロキシクロロキン曝露妊娠の19%、 非曝露妊娠の15%で認められ、 経産婦群では曝露妊娠の12%、 非曝露妊娠の12%で認められた。
ヒドロキシクロロキンと早産の関連性は、 全体 (RR 0.95 [95%CI 0.67-1.34])、 未産婦群 (RR 1.10 [95%CI 0.68-1.80])、 経産婦群 (RR 0.75 [95%CI 0.47-1.24]) のいずれでも不明確であった。 抗リン脂質抗体症候群、 腎疾患、 高血圧による層別化でも同様の結果が得られた。
著者らは 「この大規模なSLE妊婦コホートにおいて、 妊娠初期のヒドロキシクロロキン使用は子癇前症リスク低下と関連していた。 しかし、 早産リスクとの関連は不明確であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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